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4月は新社会人や新学生が数多く誕生する。その中には、実家を離れて一人暮らしを始めるという人もいるだろう。ビザ・ワールドワイド・ジャパンが、この春に一人暮らしを始める子どもの親1200人に調査したところ、7割以上が子どもの一人暮らしに不安を感じているという。詳しく見ていこう。【今週の住活トピック】
「『子どもの一人暮らし』に関する実態調査」を実施/ビザ・ワールドワイド・ジャパン

健康、食事、お金の管理…と心配の種は尽きない

子どもの一人暮らしについて、不安を感じている親は72.4%(あてはまる30.5%+ややあてはまる41.9%)もいる。親の目から見れば、いくつになっても子どもへの不安は尽きないものだろう。

では、どんなことに不安を感じているのかというと、半数以上の親が「健康管理」(74.8%)、「食事」(62.6%)、「お金の管理」(57.7%)だと答えた。

一人暮らしをするにあたり、不安に感じること(複数回答)(出典:ビザ・ワールドワイド・ジャパン「『子どもの一人暮らし』に関する実態調査」より転載)

さらに、親として、「一人暮らしをする子どものために協力をしてあげたいこと」を聞くと、半数以上が「健康管理」(55.5%)、「お金の管理」(50.2%)と答えた。「食事の管理」については、自炊できなくても外食や弁当など多様な手段があるからだろうか、41.6%に下がった。

親の目の届かないところで生活を始める子どもが心配でならない親たちは、健康面やお金面で手助けしたいと考えるようで、まさに「親心」の一語に尽きる。

お金の浪費や詐欺が心配。自立を手助けするには?

「健康管理」や「お金の管理」をどのように協力してあげたいのかは、残念ながら調査結果にはない。まめに連絡を取り合って、健康やお金で困っていることがないか確かめて対処するといったところだろうか。

子どもが無理をして身体を壊したり、ストレスをため込んだり、我慢して病気を見逃したり、偏った食事で栄養バランスを崩したりしないか……、心配は尽きないだろう。

お金の使い方については、「使い過ぎ」「無駄使い」のほかに、「詐欺」などにも不安を感じているようだ。

子どもが一人暮らしをする際、子どものお金の使い方で心配なこと(複数回答)(出典:ビザ・ワールドワイド・ジャパン「『子どもの一人暮らし』に関する実態調査」より転載)

浪費や詐欺被害でお金が不足して、借金返済のために犯罪に手を染めるといったことは、最も心配していることだろう。

一方で、「一人暮らしを通じで子どもに期待すること」について聞いたところ、「自分の生活に責任を持てるようになってほしい」(69.8%)、「学校や仕事をきちんとこなしてほしい」(60.7%)、「お金の管理ができるようになってほしい」(57.5%)、「健康管理ができるようになってほしい」(56.5%)など、期待している面も大きいことが分かる。

そうであるなら、自分が育てた子どもの判断力を信じて、責任をもって仕事や勉学、生活、家計の管理をしてもらうしかないだろう。相談をされた場合の助言は惜しみなくしてほしいが、お金が不足する都度、穴埋めをしてあげるといったことは賛成しかねる。

余談になるが、お金の管理では、特に賃貸住宅の家賃の負担が大きくなる。毎月使えるお金のうち、3分の1程度が家賃の目安とされている。

新社会人の給料や新学生の仕送りの額などは、人それぞれで違うだろう。「友達と同じ額」という基準ではなく、使えるお金の額に応じて、計画的に配分してお金を使えるように、親子でよく話し合ってほしいと願うものだ。


(山本 久美子)