プライマリー・アシスト 石山 知良 代表取締役社長

 経済産業省推進の「健康経営」が、取り組み開始から4年を迎え、「健康経営度調査表」提出企業数は、前年倍増の1200社を超えました。また、働き方改革法案成立により、過重労働対策を強化する企業が急増し、産業医の配置強化、産業看護職の増員や新規配置が増加しています。 企業の健康経営は、生活習慣病の重症化対策、メンタル不調者対策に加え、若年層への未病・予防の取り組みを推進する傾向が増加。産業医・産業看護職に対しても組織アプローチする能力が求められています。 産業看護職を求める医療職は、依然として保健師が多く、臨床現場勤務者が半数を占めます。健康経営普及に伴い、未病・予防への関心が医療職にも広がり、産業看護職への転身希望者が増加している一方、採用側は企業勤務経験者を求める傾向が依然として強く、企業勤務未経験者は、コミュニケーション能力、ITリテラシー、健康経営に求められる産業看護職の役割等を知識としてもっておかないと、採用選考が厳しくなりつつあります。 産業医は、非常勤希望が依然として多く、企業側は、経験に加え、対人スキルを求める傾向が強くなってきています。産業医選任は、これまで同様に医療機関への依頼が多くあります。ただし、世の中の医師不足により、勤務日数、メンタル対応経験など、企業側の要件に合致しないケースも多く、人材会社活用企業が年々増えています。特に、常勤産業医採用は容易ではなく、人員確保には、事業所における先々の人員予測から、早めの採用活動が必須となります。 産業看護職においては、これまで同様に公的機関から応募は集まるものの、企業側が求める経験、能力、人柄が合致するケースは低く、人材会社活用が効果的な採用手法の一つです。また、入社後の産業看護職に対する、教育研修体制の整備が安定的な就業を実現する上で重要なポイントとなります。