ソースカツと同じ皿に盛られた香味漬けにゴキブリの死骸が(給食センター提供)

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 全長約3センチの黒い物体……よくよく見ると! 配膳を担当していた中2の生徒が発見したその黒光りする異物は、料理の中に浮かぶゴキブリの死骸だった。

【写真】給食センターが講じた衛生面での対策とは

“ゴキブリエキス入り”給食を完食

 6月26日、群馬県館林市立第4中学校で起きた“給食ゴキブリ混入事件”。即刻、全校生徒に伝えられたが……。

「校内放送で『異物混入がありました。給食をバット(容器)に戻してください』と流れました。最初は何が入っていたのかわかりませんでしたが、異物の正体がゴキブリだと広まって、女子たちがキャーキャー騒いでいました」

 そう証言するのは同校2年の男子生徒。ゴキブリの死骸は、香味漬けの中で見つかり、発見生徒→担任→校内放送と情報が拡散されていったが、

「……全部食べちゃいました」

 がっかりとうつむきながら話すのは、同校の女子生徒だ。

 3年の男子生徒は、

「うちのクラスは暴れん坊が多くて、放送や先生の声が聞こえなかったんです。ほとんどの生徒が食べてしまったんですよ。ゴキブリのエキスが入った給食を食べちゃった……って、みんな大騒ぎでした。僕も食べちゃって、気持ち悪いなと思います」

 と話すが、

「現物を見たらキツイと思いますけど、まあ、ゴキブリはどこにでもいるので、しょうがないのかなって」

 前出の完食女子生徒も、

「同じようなことがないように、次に気をつけてもらえればと思います」

 と悪夢を振り払おうとする。

 完食女子生徒の母親は、

「わざとやったわけではないでしょうし、責める気はありません。こういうことがあれば逆に気をつけてくれると思いますし。学校からは書面で謝罪をしていただきました」

 と穏やかに話す。

異物混入を完全に防ぐのは難しいが……

 一方で、館林市教育委員会・学校給食センター給食係の安藤淳一係長は、平謝りだ。その理由は、給食が生徒の手元に届くまでの経路にあった。

 安藤係長が説明する。

「給食は、給食センターで調理したものを、市内5校の中学校に提供しています。4限が12時50分に終わり、その後給食になります。学校から当日連絡をいただいたのは12時55分で、即座に学校に赴き確認したのが13時30分ごろでした。

 どこで混入したのかはわからず、昼休みも終わる時間だったので、他の4校へは連絡をしませんでした。

 学校、生徒や保護者のみなさまにはご迷惑をおかけし、誠に申し訳ありません」

 事態を受け、給食センターではすぐさま全館消毒し、侵入経路と疑わしき排水溝に網を張り、職員に目視の徹底を呼びかけた。

 都内の保育園で給食を作る30代女性は、

「細心の注意を払っても、コバエがスープに浮かんでいることもある。完全に防ぐのは難しい」

 と経験と照らし合わせ冷静に語る。

 同市の給食センターは老朽化が進み、2学期からは新センターに移行するという。

「シャッターは二重扉になり、エアシャワーも完備。かなり衛生面は向上します」

 と前出・安藤係長は伝え、

「給食は子どもたちが楽しみにしているもの。2度と同じことを起こさないように管理を徹底していきたい」と気を引き締めた。