沢田研二

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 ジュリーこと、沢田研二が先月“古希”迎えた。それを記念して全国ライブツアーもスタート、来年の1月まで全63公演を行う。 

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 いまさらだが、沢田は『ザ・タイガース』でボーカルを担当、日本のグループサウンズブームを盛り上げ、牽引した立役者である。 

 グループ解散後、ソロ歌手となってもヒット曲を次々と世に送り出し、『危険なふたり』で第4回日本歌謡大賞を受賞、『勝手にしやがれ』で第19回日本レコード大賞、第8回日本歌謡大賞を受賞するなど、日本歌謡界のレジェンドと言ってもいい。

「人気グループが次々と出てきて大流行したGSですが、ブームは'67年から'69年までのわずか2年ほどでした。ブームが去ると、解散するグループも次々と出てきて、リードボーカルと呼ばれていた人の中にはソロ歌手になる人も出てきました。結局、息長く歌い続けているのは“ショーケン”こと萩原健一と沢田さんくらいでしょうね」(芸能プロ関係者)

 半世紀が過ぎ、ジュリーももう70歳。髪は白くなり、口ひげ、あごひげも真っ白だ。お腹も出ている。

 近影を捉えた『女性自身』(7月24・31日号)は彼のことを“仙人”と評している。

 ラメ入りアイシャドーのメイクに、シースルーのシャツ。あるときは電飾スーツにパラシュートを背負い熱唱した沢田だが、今の姿からは想像もできない。それどころか、街ですれ違っても気づかない人も多いだろう。

「芸能人は実年齢よりも、若く見られがちです。また、見られることを意識していますから、美容にも服装にも気を遣う人が多いです。

 ですが沢田さんは、そんなことをいっさい気にしていません。自然のまま、時間の流れに逆らわない、外見にこだわらないのが彼のポリシーなんでしょう。正に『時の過ぎ行くままに』ですよ」(前出・芸能プロ関係者)

 そんな沢田だが、今でも人気は絶大だ。ライブは常に満席となる。

「時間は1時間45分くらいでした。ギタリスト1人と本人のたった二人のステージで、歌いっぱなしです。最後にちょっとMCがあるという構成でした」(女性ファン)

 ライブを訪れるファンの年齢層はあきらかに高い。

「60代の人たちは若いほうですね。でもみんな総立ちでノリノリなんですよ。時間もちょうどいいです。長いとお年寄りは疲れちゃうし」(女性ファン)

 沢田のライブのセットリストは、ザ・タイガース時代の曲やその後のヒット曲が少ないことで有名だ。そのため昔の曲を聴きたいファンをないがしろにしていると、非難を浴びたこともある。

「往年のファンは、昔よく耳にしたヒット曲を聴きたいものです。不満はあるでしょうね。また、3年前のライブでは、MC中に“歌って〜!”と黄色い声援を送ったファンに“黙っとれ! 嫌なら帰れ!”と罵声を浴びせたことがニュースになりました。

 怒りっぽいのは昔から変わっていないようですが、かといって、ファンが離れていったという話は聞いたことがないです。それも彼の魅力なんでしょう」(スポーツ紙記者)

 “仙人”になっても、昔のギラギラしたジュリーは健在だ。

<芸能ジャーナリスト・佐々木博之>
◎元フライデー記者。現在も週刊誌等で取材活動を続けており、テレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中。