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若手の企業経営者らでつくる「日本青年会議所」(JC)の元職員の女性(30代)が5月18日、解雇の無効と未払い賃金など約490万円を求めて、東京地裁に労働審判を申し立てた。受動喫煙対策を求めたことへの報復的な解雇だったと主張している。

申立書によると、この女性は大学卒業後、2008年にJCの事務局に正職員として入局した。当時、JCが入る青年会議所会館(東京・千代田区)では、ほぼ全館の共用部分でタバコが吸える状態だったといい、女性は2010年ごろから繰り返し受動喫煙対策を求めていた。

しかし、JC内での対策はあまり進まず、会議で訪れた会員らが職員の執務スペースでタバコを吸うなどしていたという。女性はその後、気管支喘息と診断されるなど体調が悪化。加えて、直属の女性上司らからは、業務量を増やされたり、パートタイム労働者になるよう求められたりと、きつく当たられたと主張している。

女性は咳への恐怖などからPTSDになり、2016年9月から休職。職場の受動喫煙対策が整わないと復帰できないとしていたところ、2017年4月に解雇された。

申し立ての後、厚労省記者クラブで会見した女性は、JCの会員が経営者であることから、「事業主にとって、職場の受動喫煙を考えるきっかけになってくれれば嬉しい」と話した。

受動喫煙対策は、「労働安全衛生法」や「健康増進法」で、企業や施設管理者の努力義務とされている。また、「労働契約法」も使用者の安全配慮義務を定めている。

弁護士ドットコムニュースは現在、JCに取材を申し込んでいる。回答が得られ次第、追記する。

(弁護士ドットコムニュース)