列に割って入った息子をあくまでもかばう母親(画像は『Shanghaiist 2018年5月4日付「Woman beats up kid who stopped her son from cutting in line at slide」』のスクリーンショット)

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祖父母4名とひとりっ子同士の両親2名、その6人がかりでたった1人の幼い子(孫)にお金をかけて大切に育てあげる。これが中国・都市部でよく見る家族構成である。「目に入れても痛くないほど可愛いわが子」とはよく言われるが、中国の子供たちの極端で盲目的な甘やかされ方は世界でも類を見ない特別なものだとも言われている。だがそれが原因で時には大変なトラブルさえ起きているもよう。このほど湖南省で…。

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度の過ぎたわが子第一主義により、時に正しい判断能力を欠いてしまう母親がいることには辟易とする。そんな思いを込め、湖南省長沙市のある施設で先月19日に撮影された小児虐待事件の映像を紹介した『ZAKER(扎客新闻)』。事件はMeng Mengちゃんという9歳の女の子が担任教師に「滑り台の列に割って入った男の子に注意したら、そのお母さんに突き飛ばされて叩かれたの」と告げたことで発覚した。

教師はすぐにその母親に電話し、苦々しい思いで「お嬢さんがある児童の保護者から暴力をふるわれたようです」と伝えた。教師や娘から事件の経緯を聞いて激怒したMeng Mengちゃんの母親はショックを受けて今月3日、メディアにこの事件について明らかにした。現場の天井に設置されている監視カメラの映像に映っているのは何やら順番を待っている列と、そこに割って入った1人の男の子。「ズルイよ。皆ちゃんと並んで待っているのに」などと女子児童がそれをたしなめたところ、男児の母親が現れて息子をかばい、怒鳴りながらその女児を激しく突き飛ばして転倒させている。

Meng Mengちゃんの母親は、メディアの取材に「この事件の後、娘は怖い夢をよくみているようで苦しそうに『叩かないで』とうわごとを言ったりしています。娘に暴力をふるった女性は反省し、しっかりと謝罪してほしいです」と語った。最近では、四川省でバスに乗っていた少年を男が張り倒して頭を踏みつけるという荒々しい暴行事件も起きていた。男を蹴ってきた少年に対し、「大人の本当のこわさを思い知らせてやる」と男は本気で逆襲したのであった。

いずれの事件もSNSで炎上中だが、ネチズンは概して「子供をあまり思い上がらせてはだめだ」との意見で一致している。バスの一件については男の大人げなさややりすぎを批判する者も多いが、「大人を大人と思わない子供にはそのような痛い思いも時には必要だ」といった声も目立つ。このたびの事件に関しても「こんな風に甘やかされて育つ男の子の将来が心配だ」との声が多々あるようだ。

画像は『Shanghaiist 2018年5月4日付「Woman beats up kid who stopped her son from cutting in line at slide」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)