「ゆるキャラ」と聞くと、どんな体形(形状)が思い浮かぶだろうか。かなりのリアル体形で生身の人間(?)とほぼ同等の可動域を持つキャラも少なくないが、やはり一般的なイメージでは短い手足に丸めな胴体で、少なくともスポーツには向いていなさそうに思える。

だが、今年命名150周年を迎える北海道で、記念事業の一環としてゆるキャラたちによるバスケットボールの試合が開催されたという。エントリーされたキャラたちを見る限り、ドリブルはおろか、ボールの保持もかなり厳しめなのでは......、と思えるメンバーがそろっているが、果たしてどのような結果になったのか。

激闘の結果は1勝1敗の引き分けに

「ゆるゆるバスケ 北海道150年記念マッチ」と銘打たれた記念試合が行われたのは、2018年4月14・15日。さすがに第4ピリオドまでゆるキャラたちがフルゲームを行ったわけではなく、Bリーグに所属するプロバスケットボールチーム「レバンガ北海道」と「京都ハンナリーズ」の試合のハーフタイムに実施されたという。

「北海道150年記念事業」のサイトに掲載された告知によると、対戦したのは主に北海道に所属するゆるキャラで構成された「北海道150年チーム」9体と、道内の各市町村から参加した「市町村オールスターズ」13体。150年チームには、北方領土問題対策協会の「北方領土エリカちゃん」など、全国的な知名度があるキャラクターもいるようだ。


見たところなかなか厳しそうな印象を受ける(画像は北海道150年記念事業公式サイトより)

両チームの選手の顔ぶれを見た記者の印象は、「かなり厳しい......」だった。ツイッター上では北海道公式アカウントが「北海道150年チーム」を紹介しているのだが、例えば北海道森林管理局の「芽森(めもりー)」はこの通り。

確かにかなりの高身長ではあるが、ボールさばきに難があるように思われる。対する「市町村オールスターズ」も総じて手足が短く、「そもそもバスケができるのか」という疑問が脳裏をよぎる。

この「選手」たちの選出基準はどうなっていたのか。主催した北海道150年事業実行委員会事務局に大会後の16日、Jタウンネットが取材を行ったところ、担当者から「バスケができるかどうか、といった視点では選ばなかった」との回答を得た。

「普通にバスケをするだけでは面白くないですし、あまりそんなことは考えず、『バスケの試合に出場してみませんか』とお声掛けをして、賛同していただいたキャラクターたちが参加したという形です」

コートとゴールはミニサイズのものを用意し、厳密にルールに則ることもなく、「ゆるゆるバスケ」という名前の通り、熱くゆるい戦いが繰り広げられたようだ。

「各キャラクターたちは本気だったと思いますが、観戦した側としてはとても楽しめました。お客さまたちからも『面白かった』との声が寄せられており、記念試合としては大成功だったと思います」

気になる試合の様子は、ツイッター上でレバンガ北海道の公式アカウントの投稿から伺い知ることができる。

のしのしとコートの中をゆるキャラたちが駆け回っていた(??)。当初は5体ずつが出場する予定だったが、実際には両チームとも無制限に入り乱れ、レバンガ北海道のマスコット「レバード」と、京都ハンナリーズの「はんニャリン」も飛び入り参加するという展開で、大いに盛り上がったという。

気になる試合結果だが、

「14日は2-1で150年チームが、15日は1-0で市町村オールスターズが一応勝利した、ということになっています」

と事務局担当者もゆるく答えてくれた。ここで本気の試合結果を求めるのは野暮だろう。ちなみに、記者が個人的に注目したのは浦臼町の「臼子ねぇさん」。ゴール前で臼になって鉄壁の守備を行う、他のゆるキャラにキスを迫るなど、縦横無尽に活躍していたようだ。