メスライオンに「明らかに肥満、獣医に見せるべき」の声(画像は『Siberian Times 2017年12月18日付「Shock over ‘fat cats’ on parade at newly reopened Vladivostok Circus」(Picture: Maria Borodina,PrimaMedia)』のスクリーンショット)

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野生動物を囲い、客のためにパフォーマンスをさせるサーカス団体への批判は多い。このほどロシア極東地で開かれたあるサーカスの写真をSNSで見た人たちが、太ったメスライオンの姿を見て「虐待では」と非難が巻き起こった。『Siberian Times』『Mirror』『Metro』などが伝えている。

ウラジオストクのサーカス「Vladivostok Circus」のライオンショー「Empire of Lionesses(エンパイア・オブ・ライオネス)」が物議を醸している。このショーでパフォーマンスを強いられているメスライオンが肥満状態であることが問題視されているのだ。

SNSで問題となった写真を見ると、2本足で立たされているメスライオンの姿は体全体に脂肪がたっぷりとついている。明らかに不健康そうなメスライオンの姿を見たユーザーからは「虐待だ」という声の他に以下の意見があがった。

「観客にではなく、獣医に見せるべき。」
「ジム通いをさせた方がいいんじゃないか。」
「動物をいじめるのは止めて。火の輪をくぐらされたり2本足で立たされたりしたくないのよ!」
「サーカスの連中は、野生動物を間抜けなピエロに仕立てている。」
「いったいいつになったらサーカスが禁止になるんだ!」

さらには動物愛護運動家も、検察局にメスライオンの健康診断を要求した。これらの批判を受けて、ロシアではトップの動物訓練士として名高く“lion whisperer(ライオン・ウイスパラー)”として知られるVitaly Smolyanetsさん(44歳)は、20年のキャリアでこれまで一度もこのような批判を受けたことがなく、怒りを露わにしながらこのように反論した。

「メスライオンは年を取ってきているだけです。人間でも年齢とともに太るでしょう、それと同じことです。特に出産後は体重も増えます。午後にパフォーマンスをする時はおやつを与えていますが、1日1回夜だけ餌を与えているのみです。1回の量は6kgですが、これはごく普通の餌の量です。それに私たちはビタミンや1リットルの牛乳も与えています。きちんと世話をしているし、誰も餌をやり過ぎてはいません。ライオンたちは1日3時間のトレーニングをするのみで後はほとんど眠っているため、それが体重が増える要因ともなるのでしょう。ですが決して肥満などではありません。とてもいい健康状態を保っています。」

シベリア東部の野生のトラを保護している「Amur Tiger Centre(アムールトラ・センター)」の責任者であるSergey Aramilevさんは、「野生動物は人間に囲われると体重が増えます。スポーツをしない人間と同じです。ただ、痩せていた方が動物園やサーカスにとっては問題となるので、痩せていないのはいいことですよ。きちんと餌を与えられないと飢えてしまいますから。もちろん狩りによって手に入れた野生動物の肉を餌として与えられているのであれば、また体型も異なってきます。健康的な食事をしているかジャンクフードを食べているかの違いでしょう。ただ今の段階では、これらのメスライオンに健康上問題があると決めつけるのは尚早です」と話している。

このニュースを知った人からは「いや、結構太っているのは明らかだろう」「年を取っているというのなら、なぜリタイアさせてあげないんだ」「どう見ても不健康そう」「野生動物をサーカスで見世物にすること自体に激しい怒りを感じる」「世界中のサーカスを禁止にすべきだ」といった声があがっている。

画像は『Siberian Times 2017年12月18日付「Shock over ‘fat cats’ on parade at newly reopened Vladivostok Circus」(Picture: Maria Borodina,PrimaMedia)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)