ふるさと納税の返礼品として、埼玉県行田市は「土偶」を送っていると入手者がツイッターで写真を投稿し、驚きの声が上がっている。

箱の中には、エスキモーなどが着用する遮光器のような形の目をした「遮光器土偶」を模した返礼品が入っている。教科書やテレビなどでお馴染みのものだ。

1万円〜3万7000円を市に寄付すれば入手できる

この写真は、ツイッター上で2017年11月29日にアップされた。送り状の写真に「行田郵便局」と書かれていることから、埼玉県行田市の返礼品だとされている。


青森出土品を模した「遮光器土偶」(写真は、さかもと商店提供)

返礼品としては珍しいことから、様々な感想が寄せられている。

一体なぜ土偶を返礼品に選んだのだろうか。

行田市の企画政策課は12月1日、Jタウンネットの取材に対し、こう説明した。

「市内には、埼玉(さきたま)古墳群があり、出土する埴輪を模した陶器を取り扱っている業者もいます。昨年9月に返礼品をリニューアルしたときに、拡充して土偶なども返礼品にしました」

土偶や埴輪約20点をリストに入れており、1万円〜3万7000円を市に寄付すれば入手できる。

話題の土偶は、青森出土のものを模写して作られた

行田市の返礼品としては、冷凍生餃子などの食べ物などが人気という。土偶などは、まだ返礼の1割にも満たないそうで、今後どれだけ需要が伸びるか注目されそうだ。

土偶などは、行田市内でネット販売を手掛ける「さかもと商店」が取り扱っている。さかもと商店の坂本雄一代表に12月1日、Jタウンネットが話を聞いたところ、埼玉古墳群からは馬や武人の埴輪ぐらいしか出土せず、投稿写真の遮光器土偶は、青森出土のものを模写して窯元が作ったと説明した。土偶については、家の置き物にしたり、安産のお守りにしたりする使い道があるという。

埼玉古墳群前で土産物店を開いていたが、5年前に火災で焼失してからは、ネット販売だけだそうだ。店は、歴史好きな祖父の代から40年にわたってやっており、全国各地の埴輪などを模した陶器をホームページ上で販売している。