乾、「10番」の“ジンクス”打破へ 盟友に誓う決意「真司の思いを背負いながら…」

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欧州遠征で10番を与えられた乾 「10番? むしろ嫌です(笑)」と話す理由は?

 バヒド・ハリルホジッチ監督率いる日本代表は、現地時間7日に全25選手が揃ってトレーニングを行った。

 今やハリルジャパンに欠かせぬ一員として立ち位置を確立しつつあるMF乾貴士は、11月シリーズのブラジル戦(10日)、ベルギー戦(14日)では背番号10を着用することが決定。長年にわたって着用したセレッソ大阪時代の同僚MF香川真司(ドルトムント)をおもんばかりつつ、連戦に向けた意気込みを語った。

「10番? むしろ嫌です(笑)」

 こう冗談めかした乾。ドリブル突破を武器とするテクニシャンとして知られるが、実は野洲高時代から、Jリーグ、そしてブンデスリーガやリーガ・エスパニョーラとクラブを渡り歩いてきた中で10番を着用したことはない。

 唯一10番を任されたことがあるのが日本代表だけという“レアケース”だが、「10番をつけたことがありますけど、(試合に)出たことはないです。『10番をつけると出れない』というジンクスもあるので、つけたくないという気持ちもあるんですけどね」と、本人も“番号のひとつ”といった考えのようだ。

「10番は真司のものだと思っている」

 ただ、今回ばかりは背負う責任が少々違うようだ。これまで長年に渡って日本代表に招集され、10番を着用し続けてきた香川が、コンディションや負傷などの理由ではなく選外となった。そのため空き番となったエースナンバーを、乾が任されることに。そのことについて触れられると、C大阪でともにプレーした香川を思いやった言葉を口にした。

「10番は別に気にしないです。自分のものではないので。真司が今までつけてきて、真司のものだと思っているので、今回は真司がいないですけど、しっかりその責任を背負いながら。真司の思いを背負いながらプレーしたい」

 C大阪と言えば、11月4日に行われたルヴァンカップ決勝で川崎フロンターレを下し、同大会初タイトルを手にした。乾も自身のツイッターで古巣の優勝について喜びを発信したが、自身はC大阪時代の盟友・香川から“一時譲り受け”という形となったナンバー10を背負い、最強ブラジル代表に挑むことになっても、「今回だけと思うので」と謙虚さを崩さない。乾の野心は背番号ではなく、勝利に向かっている。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images