【ファンキー通信】ウグイス嬢が見た選挙の実態

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 もうすぐ衆議院の選挙戦が始まります。選挙戦に関心がある方も、「選挙っておいしいの?」とトンチンカンなことを言っている方もいるかと思います。でも、そんな方でも「みなさまの熱き、清き一票をよろしくお願いします!」という声くらいは耳にしたことがあるでしょう。

 あたくし、元ウグイス嬢でした。今日はウグイス嬢から見た選挙の実態をお話しましょう。

 選挙カーに乗り込み、白手袋をはめて、おててフリフリ。右手にはマイク、満面のスマイルでごあいさつ。ウグイス嬢(車上運動員)は一見気楽な稼業と思われがちですが、朝の8時30分から夜8時までと期間限定とはいえ、けっこうハード。

 選挙カーに乗るときは、選挙の七つ道具の一つ、腕章を必ずつけ、雨でも風でも吹雪でも、窓から手を振り続けなければならないので、途中で風邪を引いたり過労で倒れるウグイスも。最終日が近づくと、選挙カーの中は、栄養ドリンクのビンがごろごろ転がっていることも多いんですよ。

 選挙戦の最中、ともに動き回るのですから、センセイの人間性を垣間見ることもしばしば。運転席の隣に候補者が座ることが多いのですが、まだ選挙に慣れていないセンセイは、つい力んでしまい、マイクで自分の名前を咬んだりと傍にいるとはらはらしてしまいます。中にはきまぐれなセンセイもいて、突如、車から降りると宣言したりします。そんなときは、あたくしたちも即座に選挙カーを降りて、後ろから走ってついていかねばなりません。

 食事代は1000円までで「このセンセイけちなのかしら?」と思っていましたが、一日一食1000円までと公職選挙法で決められていたからなのですね。ゴメンナサイ。ちなみに一日の報酬は最高1万5000円までもらえることが定められていると、選挙管理委員会の方はおっしゃっていましたが、あたくしがいただいた額は一日12000円でした。

 ウグイス嬢としての経験を重ねると、あのウグイス嬢がいると勝つ! などいう噂がまことしやかに流れます。そんな方は必勝ウグイスとして事務所からお声がかかることもありますね。センセイ方はゲンを担ぐことも忘れません!

 あ、最後になりましたが、どうして「ウグイス嬢」と呼ばれるのかご存知? なんでも声のよい人をたとえて「ウグイス」というようになったそうよ。選挙に興味がもてない方は、ウグイス嬢の鳴き声に耳を澄まして、投票の決め手にしてみてはいかがでしょうか。(文/verb)