XFN-ASIAによると、経営破たんした英自動車大手MGローバーを先月買収した中国自動車大手の南京汽車が、英国中部バーミンガムにあるローバーのロングブリッジ工場向けに、中国本社から多数の従業員を連れて来ていることが明らかになった。英経済紙フィナンシャル・タイムズが18日付で報じた。同紙によると、南京汽車は、工学や製造の専門家などを本社から送り込んだほか、先週には、中国から複数の料理人が送り込まれたとしている。関係者の話によると、中国からの先遣隊が、英国料理に深く失望したため、中国から料理人を呼ぶ必要があったという。ただ、中国からの従業員の大量流入により、バーミンガムをはじめとする地元の雇用への影響を懸念する声も出ている。

　　また、同紙によると、南京汽車は、ローバーが保有する設備などの大半を中国に輸送する計画を持っており、最終的にどの程度の操業規模となるかは不透明な情勢で、ロングブリッジ工場での操業再開計画もいまだに発表されていない。同社は、労組関係者や地元当局者に対し、同社の元役員が設立し、同社と協力関係にあるGBスポーツカー社との契約を通じて、ローバーのブランド車の生産を再開したいとの意向は示しているものの、GBスポーツカー社との数週間にわたる交渉を終えた現在でも、事業の骨子がまとまっていない状況だ。細部を詰めるには、あと数ヵ月が必要との見方もある。【了】