24時間いつでも修理を... 淡路島の喫茶店が「サイクリスト専用自販機」に込めた思い
自転車乗り(サイクリスト)の「聖地」で知られる淡路島(兵庫県)。その島内にある喫茶店が、自転車の修理道具や部品などを販売する自動販売機を設置した。チューブ、パンク修理用パッチ、ボンベ......。ミネラルウォーターやコカ・コーラといった飲料水に加え、こうした修理用品なども販売されている。
Jタウンネット記者が店主に話を聞いてみると、自販機設置の背景には、「聖地」ならではの事情があった。
喫茶店「ジロ・デ・アワジ」のフェイスブックから
24時間いつでも修理できるように
淡路島の喫茶店「ジロ・デ・アワジ」(南あわじ市福良甲)が、自転車の修理道具や部品などを販売するサイクリスト専用の自動販売機を設置した。同店のFacebookには2017年6月27日、こんな投稿がある。
「恐らく全国初の完全サイクリスト専用自動販売機その名も"DNF回避くん"が完成! シャレでやった割にはかなりの完成度やと自画自賛。これでアワイチのお助けをさせていただきます!」
「アワイチ」とは、淡路島で海沿いの1周150キロを自転車で走ること。Jタウンネット編集部は7月3日、店主に話を聞いてみた。店主は、自販機を設置した2つの理由を話した。
「うちの店は、『アワイチ』のちょうど中間地点の付近にあります。島の北からスタートし、山を越えて福良に来たころに、自転車のトラブルに遭ってしまう。サイクリストの中には、朝が早い人もいるので、自販機を設置すれば、24時間いつでも修理できるようになると考えました」
同店は喫茶店の食事を提供するほか、自転車の部品や工具を販売している。
「サイクリストからしてみれば、(店内へは)入りづらいと感じる、気を使われるのではないか。そう思ったのが、2つ目です」
店主もまた、サイクリストの1人だ。食事で一息つかせたり、自転車を修理したり、部品を販売、配達したり、洗車やけがの応急処置をしたり......。公式サイトでは、「この他にも、マスターの島内ネットワークを駆使してアワイチ情報を提供!!」と書かれている。
「遠方から淡路島までプライベートで走りに来て、途中でリタイアされる方だっています。店の近くに、高速バスのバス停があるんですが、そこからバスに乗って帰られる方もいるんです」
自販機の愛称「DNF回避君」も、自転車レースの用語「Did Not Finish」(途中リタイア)からきている。
喫茶店「ジロ・デ・アワジ」のフェイスブックから