巨大なフルーツが次々に現れるファンタジックな道路が、長崎県にあります。実は、それらはバス停です。いったいなぜ、そんなバス停が設けられたのでしょうか。

道路脇にメロン、スイカ、イチゴ、ミカン、トマト

 長崎県に、巨大なイチゴやメロンが次々に登場する道路があります。

待合所がイチゴとメロンの平原バス停(2014年11月、恵 知仁撮影)。

 これら巨大フルーツ(※野菜に分類されるものもありますが、ここでは便宜上、「フルーツ」とします)の正体は、バス停の待合所。道路に突如、巨大なフルーツが登場する光景はいい意味で違和感たっぷりです。場所は長崎県諫早市、JR長崎本線の小長井駅を中心とした小長井地区です。諫早市生活安全交通課に、誕生の背景を聞きました。

――なぜ巨大フルーツの待合所を設けたのでしょうか。

 1990(平成2)年に長崎県で開催された「長崎旅博」に際し、佐賀県に接している旧・小長井町が長崎県の玄関口となることから、訪れる人を迎えるために設けたものです。

――何かモチーフがあるのでしょうか。

『シンデレラ』に出てくる「カボチャの馬車」がアイデアの元になっているようです。メロン、スイカ、イチゴ、ミカン、トマトの5種類がありますが、これらは小長井で採れるものです。

井崎バス停のメロンがオススメ

――どのくらいの数があるのでしょうか。

 上下線に設けられている場所と、片側のみに設けられている場所があり、11のバス停に15の待合所があります。このほか、廃止された路線の元バス停だったところにも1か所存在します。

「つぶつぶ」まで再現された平原バス停のイチゴ待合所(2014年11月、恵 知仁撮影)。

――評判はいかがでしょうか。

 観光で訪れた方からの評判は、意見をうかがう機会がないためわかりませんが、地元では待合所を「名物」として、CMをつくるなどして盛り上げる動きがあります。

――特に人気のバス停や、オススメのものはありますか。

 写真を撮るならば井崎バス停がオススメです。上り線にあるメロンの待合室は海に面しており、島原半島をバックに撮影できます。

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 なお、これらのバス停には、長崎県営バスの県界〜諫早営業所線(県界〜小長井駅前〜諫早駅前〜諫早営業所)、みさかえの園〜諫早営業所線(みさかえの園〜小長井駅前〜諫早駅前〜諫早営業所)のバスが停車します。

【地図】「フルーツバス停」の位置

「フルーツバス停」は、長崎県諫早市小長井地区の国道207号沿いを中心に点在(国土地理院の地図を加工)。