なだれよりも怖い「雪泥流」
1990年2月11日、長野県北部のスキー場で大量の水と雪が沢を駆け下り、ゲレンデを移動中だったスキー客が死亡する事故がありました。事故当時は融雪による鉄砲水と報道されましたが、のちの調査で雪泥流だったことが判明しました。
雪泥流とは気温の上昇や雨により、大量の水を含んだ重たい雪が流れ下る現象です。これまで日本で発生する雪泥流は富士山の雪代(ゆきしろ)と呼ばれる春先のなだれだけと思われていましたが、この事故をきっかけに富士山以外でも多く発生していることがわかったのです。
雪泥流は「スノージャム」ともいい、なだれよりも速く、破壊力は水の数倍です。きょう(16日)からあす(17日)にかけて、日本海側ではフェーン現象にともなう気温の急上昇と雨に注意が必要です。
「冬と春のせめぎあい強風と雪解けに注意」
(気象予報士・片山 由紀子)