1000年以上も前の街並みを残す、南ドイツの古都バンベルク。その美しい街並みは「バイエルンの真珠」とうたわれ、「バンベルク市街」として世界遺産に登録されています。

そんな世界遺産の街バンベルクで見逃せない名物グルメが、 「バンベルガー・ツヴィーベル(Bamberger Zwiebel)」。「バンベルクのたまねぎ」という意味で、たまねぎの肉詰めにビアソースをかけた料理です。

バンベルガー・ツヴィーベルは、1678年創業のビール醸造所兼レストラン、「シュレンケルラ(Schlenkerla)」の看板メニュー。

バンベルクは「ビールの街」としても知られていて、「ラオホビア(Rauchbier)」と呼ばれる深い色合いの燻製ビールが有名です。

バンベルクの街には10軒の醸造所がありますが、なかでも、古代ローマ時代とほとんど変わらないという昔ながらの製法をかたくなに守り続けているシュレンケルラのラオホビアは、バンベルクを代表する味。

ビールの原料となる麦芽をつくる際、大麦を水に浸し、発芽したところで温風などを当てて乾燥させるのが一般的ですが、シュレンケルラでは、3年以上寝かせたブナのマルタで燻すという世界的にも珍しい製法をとっています。

木骨組みの建物が目を引くシュレンケルラの直営レストラン。旧市庁舎の近く、バンベルクの観光エリアの中心部という立ち寄りやすい場所にあります。

店内は思いのほか広く、いくつかの小部屋に区切られていて、まるで小さなホテルのよう。

昔ながらのバイエルンの素朴な雰囲気を感じる木のぬくもりを生かした内装に、旅情が高まります。

さて、注文した看板メニューの「バンベルガー・ツヴィーベル」が運ばれてきました。率直に言って、ドイツ料理はどれも似たような盛り付けで、見た目の美しさや楽しさに欠けることが多いですが、こちらは見た目のインパクト大。

帽子をかぶった人のように見えるたまねぎが可愛らしく、見ているだけで楽しい気分になれます。

たまねぎの中にはひき肉がぎっしり。たまねぎには収まりきらず、外にまではみ出しています。

柔らかいたまねぎとジューシーなひき肉、そして香ばしいビアソースが見事にマッチ。もちろん、バンベルガー・ツヴィーベルにかかっているビアソースはラオホビアを使用したもの。

強烈なスモーク臭のするラオホビア自体は好き嫌いが別れる個性的な味わいですが、香ばしいのにクセのないビアソースを使った料理は誰でもおいしく食べられます。

興味のある方は、ぜひ一度飲んだら忘れられない、独特な味わいのラオホビアも試してみてくださいね。一般的なビールとの違いにきっと驚くはずです。

目でも舌でも楽しめるバンベルク名物、バンベルガー・ツヴィーベル。バンベルクを訪れるなら必食の老舗の味です。

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お店 シュレンケルラ ( Schlenkerla )
住所 Dominikanerstrasse 6, 96049 Bamberg
営業時間 9:30〜23:30