銚子電気鉄道には、「髪毛黒生(かみのけくろはえ)駅」という一風変わった名前の駅がある。その名前にあやかりたいと、頭髪に悩みを抱えた人が「黒髪祈願・発毛祈願」をするそうだ。


銚子電鉄「髪毛黒生駅」

もとは「笠上黒生(かさがみくろはえ)駅」という名前だが、2015年12月にヘアケア商品の製造・販売を行うメソケアプラス(東京都港区)が駅名ネーミングライツを取得し、「髪毛黒生駅」とした。当初1年間限定の予定だったが、2016年12月から1年間の使用延長が決定した。

この愛称存続決定のニュースに、安堵の胸をなでおろす人が多い。なぜだろう――。

「髪毛黒生」「増毛」「福生」「布佐」「上大井」

2016年12月4日、髪の毛のパワースポットとして知られるJR北海道留萌線の「増毛(ましけ)駅」が廃止となった。信仰者にとっては「増毛駅」と「髪毛黒生駅」を一度に失う恐れのある死活問題だったが、「髪毛黒生駅」が存続すると知って希望を見出したのだ。

「髪毛黒生駅」「増毛駅」の他にも、頭髪にご利益がありそうな駅がある。「髪の毛フッサフサ」を連想させる、JR東日本青梅線の「福生(ふっさ)駅」、JR東日本成田線「布佐(ふさ)駅」、JR東海御殿場線の「上大井(かみおおい)駅」だ。

今後「髪毛黒生駅」には、神頼みならぬ「髪頼み」の乗客が増えるかもしれない。

「髪毛黒生駅」では駅名愛称の使用期間の延長を記念し、薄毛が気になる人のために2017年1月に1か月の期間限定で初詣用の駅名看板が設置される。


初詣用の駅名看板(イメージ)