経営戦略構文100選(仮)/構文12:ダイナミックケイパビリティ/伊藤 達夫
ダイナミックケイパビリティとは、環境を補完的なパースペクティブで見ることで、自社のバリューチェーン、ビジネスモデルに対してWin−Winの関係にあるプロセスを活用可能とみなし、バリューチェーン、ビジネスモデルを自在に組み替えることが可能とする考え方である。最近流行っている大企業とベンチャーの協業はこの流れの中にある。確かに外部の資源、ケイパビリティが補完的で利用可能ならば利用することが合理的ではある。ただ、これを突き詰めた時に、プロセスを内部に所有する意味がないという結論になってしまう。環境を代替的に捉える枠組みも同時に存在し、契約理論として存在していることは留意すべきである。
おはようございます。伊藤です。もはや街はクリスマス一色ですね。私はback numberさんの「ヒロイン」や「クリスマスソング」ばかり聞いています。ええ、クリスマスはシングルベルになってしまう状況に浸っているんですね・・・。
好きでもない女の子を口説いても仕方ないですからね。と、格好をつけて生きているから、いつまでも一人なんでしょうね・・・。私を怖がらないお洒落なメガネで美しい声の女の子がいないものかと日々妄想しております。
さて、今日のモデルは「趣味はフィルムカメラとコスプレ、特技はバスケットボールです!かっこいいから可愛いまで幅広く表現出来るモデルを目指しています。普段はマシュマロ撮影会でスタッフ兼モデル、スタジオアマレッティの管理人などしています!」とさわやかに宣伝するにゃるるさんです。必ずしもメガネっ子が好きではないので、メガネなしバージョンを選んでいます。ええ、メガネっ子が好きなわけではないのです。
でも、これぐらい美人なら「外部環境は補完的なのよ!」と言っても、補完的になれそうですね。私は見た感じが怖いので代替的な世界にしか生きられません・・・。ええ、生きることは戦場にいるようなことなんです。いつ背後から悪意を放たれるかわかりません・・・。きっと、人間性が腐ってるんですね。
さて、今日はダイナミックケイパビリティです。最近の大企業とベンチャーの協業の理論的根拠とでも言いましょうか。流行ってますよね。死屍累々ですし、大企業に食い物にされるベンチャーもあれば、ベンチャーに騙されてのれんを100億近く計上してしまう大企業もある世界です。資本提携ってやっぱり怖いですし、デューデリジェンスってまじめにやることが大事だよなあと思う今日この頃です。
このダイナミックケイパビリティを理解するには、何度か書いている代替性、補完性の理解が必須になります。でも、限界代替率の解説をし始めると、途端に読むのをやめる人が多々出てくるので、無差別曲線等の解説はしません。ふんわり「なんちゃって経営学テイスト」で解説していこうと思います。
代替的であるというのは、競合するということです。補完的であるというのは、補い合うということです。
言葉にすればこれだけです。
よくある例だと、パンとスパゲッティは代替的ですが、ソースは補完的です。パンはソースにつけて食べられますし、スパゲッティもソースにつけて食べられます。
お昼に何を食べよう?と思ったら、パンを食べようか?スパゲッティを食べようか?と悩む人はいるかもしれませんが、「パンなのか、ソースなのか、それが問題だ・・・。」と言う人はあまりいませんね。両方買いますよね・・・。買うときに競合するのは代替的で、買うときに両方買おうとなるのは補完的だと思ってください。
両方買おうとなるのは、パンにソースをかけると、片方ずつよりもおいしいですよね。補い合うんです。
こういうイメージで伝わりますか?
そうするとね、企業のビジネスプロセスで同じことを考えてみましょう。
自社のプロセスと全く同じプロセスを保持している企業はきっと競合でしょう。代替的に見えます。ただ、企業同士が合併したりすると、規模の経済が働いて、コスト削減効果があることもあるでしょう。つまり、補完的な側面もある。
もっと補い合う感じのプロセスもあるかもしれない。大企業のしっかりとした技術と、ベンチャーの柔軟な発想、とかね。絵に描いた餅のようなにおいがプンプンしますが、大企業のプロセスとベンチャーのプロセスが補完的であることがあるかもしれません。
だから、大企業はイノベーションを起こすためにベンチャーと協業すべきなんだ!みたいなイメージです。
気分としてはこんな気分なのですが、もうちょっとちゃんと書いてみましょう。
大企業の場合、商品開発の枠組み、手順があって、それに沿って進めていかないといけない。しかし、そのフレームワークは少しずつ時代遅れになっていくわけです。そして、その枠組みにだんだん発想が支配されるようになってしまう。
だから、時代が変わってきた時には、この枠組みから変える必要が出てくる。
ただね、枠組みの修正はめちゃくちゃ時間がかかる。そうすると、大企業という箱の中でできることには限界が出てくるわけです。でもね、それならね、ベンチャーという箱を使ってしまえばいいと思いませんか?
協業なので、出資比率がどれぐらいみたいな問題はあるわけですが、乗り遅れないほうがいい潮流があったとき、ベンチャーと協業でも進めておくことが大事ですよね。うまくいったらメジャーで買ってしまえばいいんです。
というような利用方法が大企業目線では正しいように思うわけです。というようなことを書くと、愛がないとか言われるんですけど、お互いにメリットがある取引にするだけでいいと思ったりします。長期的関係になるかならないかは流れ次第かな、と。
それとね、もう1つ大事な視点があって、補完的に見ようとすれば、補完的に見えるプロセスも、代替的に見ようとすれば代替的に見える。
ダイナミックケイパビリティは環境は補完的で、みんなとWin−Winになれる!とか、意識高い系の学生のようなことを主張するわけですが、真逆の理論もあります。契約理論ですよね。環境を代替的に見ます。
周りは全て敵なんだ、競合するんだ!というような考え方です。まるで私のような考え方ですね。ええ、オリバー・ハートは好きですよ。
お互いにメリットがあるんだ!とするならば、協力するインセンティブが働くわけですが、代替的なんだ!とするならば、戦うインセンティブがある。だから、協力する場合には契約で縛り付ける必要がある。
この視点が、自動車メーカーのサプライチェーンにおける日本的系列関係と、米国の資本的支配関係の違いとも読める気がします。自動車のサプライチェーンで言えば、日本的系列が勝利したようにも思いますけどね。
極端なケースでなければ、代替性と補完性は同時に存在しています。だから、補完性だけを読み取って、代替性を無視するのもダメ出し、代替性だけを読み取って、補完性を無視してもダメなんだと思います。
ただ、同じプロセスをいかに回して儲けるか?がビジネスの収益性を決定するので、大企業のプロセスは硬直化しがちです。そこに、新たな要素を取り入れることができるか?と言えば、補完的に環境を見て、ベンチャーと協業してみると、いいことがあるかもしれないよ、というお話として受け取るぐらいでちょうどいいかな、と思っています。
いつも感じが悪く書きすぎなので、今日はちょっとゆるふわテイストで書いてみましたが伝わりましたでしょうか?ええ、ちょっと反省しているんです。人間が腐っていると、好きな女の子に愛想をつかされてしまいますからね。ちゃんとしたいと思っています。
それでは今日はこのあたりで。次回をお楽しみに。