「海の森水上競技場」へ実際に行こうとしたら、とんでもない目に遭った!
2020年東京五輪・パラリンピックのボート・カヌー会場として新設予定の「海の森水上競技場」。長くモメていたが、16年11月末の関係者協議で、ついに整備されると決まった。しかし、「海の森」と言っても、ピンとくる読者は少ないのではないか。
JタウンネットのK副編集長も、そのひとり。東京に生まれ育って30年近く経つが、都内に「海の森」なる場所があるとは知らなかった。そもそも、海なのに「森」ってなんだ。気になったので、現地視察をしてみることにした。――しかし、その道のりは激しいものとなった。
「中央防波堤」なる所にあるらしい
東京2020公式サイトの記述によると、競技場の住所は「東京都江東区青海三丁目地先」。アクセス方法は3つあるようだ。
「都営バス 波01『東京テレポート駅前』から乗車、『環境局中防合同庁舎前』下車徒歩約20分(このバスは、『テレコムセンター駅』を経由します)」「JR京葉線・東京メトロ有楽町線・東京臨海高速鉄道りんかい線『新木場駅』からタクシー利用約15分」「東京モノレール『流通センター』からタクシー利用約15分」ということで、まずは東京テレポート駅にやってきた。ロータリーへ行くと、ちょうどバスが行ってしまった。いまは13時25分、次のバスは14時13分。平日日中は1時間に1〜2本と少ないが、朝と夕方には1時間に5〜7本ある。どうやら、この路線は通勤用なようだ。
約50分後、波01系統「中央防波堤」行きに乗り込む。テレコムセンター駅を通過したバスは、第二航路トンネルを通って南下。中央防波堤内側埋立地へと入り、目指す「環境局中防合同庁舎前」バス停に着いた。駅からの所要時間は約12分だ。
バス停名の由来となった合同庁舎は、東京都のごみ処理施設だ。そもそも、この土地はゴミで埋め立てられている。その上に建つ予定なのが「海の森」であり、水上競技場。庁舎には社会科見学のバスが、ひっきりなしに出入りしていた。
さて、ここから「徒歩約20分」だそうだが、どう向かえばいいのか。競技場は、この「内側埋立地」(北側に立地)と、水路をはさんだ「外側埋立地」(南側)の間に作られる。まずは、バス停近くの中防大橋を渡って、外側埋立地側から見てみよう。
しかし、渡りきったところで、すぐガードレールが立ちふさがった。通ろうと思えば通れるが、絶対に怒られるので引き返す。
内側埋立地の南岸には、いちおう歩道が設けられている。しかし、雑草のび放題の道を5分ほど進むと、車道が封鎖されているのが見えた。平成31年(2019年)7月末まで、橋梁工事をするようだ。「歩行者通路」の看板はあるが、おそらく工事用だろう。
カメラを構える自分、作業員の訝しげな視線に気づく。中央防波堤から行くのはムリだ。新木場から攻めるルートにしよう。
庁舎前バス停に戻るも、次のバスは30分後。とくにすることもないので、ぼーっとバスを待つ。
そんな厨二っぽい思いを馳せるが、かたわらのローマ字表記を見て、一気に興ざめ。「Kankyokyoku-chubo-godo-chosha-mae」だとさ。
ゲートブリッジに駆け込んだ
新木場駅へ着いたのは、15時45分。公式サイトは「タクシー利用」を勧めているが、あいにく編集部にそんな予算はない。中央防波堤から海を隔てて東側にある、「若洲キャンプ場」までバスで向かおう――と思ったのだが、例のごとくバスは毎時1本ペース。30分待つのも惜しいので、歩いて向かうことにした。
テクテク南下し、45分ほど。バスに追い抜かれたとほぼ同時に、若洲キャンプ場へたどり着いた。若洲地区から中央防波堤までは、全長2.6キロの「東京ゲートブリッジ」が架けられている。その歩道へのぼるための「若洲昇降施設」に向かって、ひたすら歩く。
「本日は閉館しました」。時刻は16時35分。歩道開放は17時までだが、歩道への入場は16時30分で終了していた。わずか5分の差。夏期の金曜・土曜は、20時閉鎖というから、さらに無念さがつのる。肩をおろしつつ、バスに乗りこみ、この日は退散するのだった。(※後編に続きます)