プロサッカー選手の“仕事”の一つは、子供たちに夢を与え、子供たちを笑顔にさせることだ。コワモテのズラタン・イブラヒモビッチをはじめとするマンチェスター・ユナイテッドの面々は、世界を代表する一流になっても、その心を忘れていない。

『デイリー・スター』が報じたところによると、ユナイテッドが1-1と引き分けた2日のストーク・シティ戦後、本拠地オールド・トラフォードの外にはバスに乗り込もうとする選手たちを待つ一人のファンがいた。車いすに乗った10歳の少年、ロケット・ダンくんだ。


ロケットくんの母親はフリードライヒ失調症という病気を患い、3年前に28歳の若さで他界した。以降、祖母マーティーさんと祖父デイビッドさんがロケットくんを育ててきた。ロケットくん自身も脳性まひを患い、車いす生活だ。

ロケットくんは大のサッカーファンで、祖父母は彼をできるだけスタジアムに連れていっているという。ストーク戦でも、マーティーさんは友人のロルナさんと一緒にロケットくんをオールド・トラフォードに連れていった。そして試合後、写真やサインをお願いしようとスタジアムの外で待っていると、ユナイテッドの選手たちは次々に立ち止まり、気さくにファンサービスに応じたというのだ。

フアン・マタやマイケル・キャリック、エリック・バイリーらと写真を撮ったロケットくんだが、特にお気に入りというイブラヒモビッチとの写真には大興奮した様子。マーティーさんがこう明かしている。

「イブラヒモビッチと会ったときのロケットの顔は最高だったわ。彼は本当に有頂天になっていたの。ズラタンが自分に話しかけてくれているなんて、信じられなかったのよ。彼がユナイテッドに来る前から、ロケットはイブラヒモビッチが大好きだったの」

「ロケットはすべての選手からシューズにサインをしてもらったんだけど、ズラタンだけはユナイテッドのパーカーにしてくれたわ」

ロルナさんも、イブラヒモビッチと会ったときのロケットくんの興奮を伝えている。

「すごく興奮していたわ。でも、彼は感情を表すのが大変だから、腕や足を震わせていたのよ! ズラタンからは試合を楽しんだか聞かれて、私たちは楽しかったと答えたわ。同じことを彼に聞いたら、彼はゴールを決めなきゃいけなかったから楽しくなかったと言っていたわよ」

「私もマーティーもすごく感動したわ。彼らが時間を使って彼と会ってくれただけでも素晴らしいことだと思う。その選手たちがここまでしてくれたなんて、本当にファンタスティックよ。彼らが人間であり、心を持った人たちだということをみんな知るべきよ。普段の彼らは悪く言われてばかりだから」