ローマFWフランチェスコ・トッティの妻がイタリア『ガゼッタ・デッロ・スポルト』のインタビューで、ルチアーノ・スパレッティ監督を批判した。トッティは、指揮官と問題がないと声明を発している。

27日に40歳の誕生日を迎えるローマの「生けるレジェンド」トッティだが、出場機会が与えられず、満了となる契約の延長も実現していなかった昨冬は、難しい時期を過ごしていた。

そんななか、トッティが『Rai』のインタビューで不満と取られる発言をしたことで、スパレッティ監督はスタメン起用を考えていたトッティを試合の招集メンバーから外すという荒療治に出た。ローマにおいて絶対的な存在であるトッティを、ベンチに置くだけでなくメンバーからも外すという指揮官の決断は大きな議論を呼んだ。

イラリー・ブラージ夫人は今回、『ガゼッタ』のインタビューで、当時のことを振り返り、次のようにスパレッティ監督を非難している。


「私にはサッカーのことは何も分からない。でも、あれはおかしかった。信じられなかったわ。彼は自分の家から追い出されたのよ。そういうことをすべきではない」

「サッカーに関する選択は議論の余地があるけど、そこには首を突っ込まない。でも、人間的な面に関しては言えることがあると思うわ。『Rai』のインタビューでフランチェスコが求めていたのはリスペクトだけだったと分かったはず。そしてそれは正しかった。当時は彼に敬意が払われていなかったから。デリケートな時期だったのよ。彼は試合に出せと求めていたわけじゃない」

「テクニカルな選択を批判することはないわ。私が批判するのは、人間的な振る舞い。スパレッティは小さな男だった。それだけよ。それが真実。彼は、言うことは素晴らしい。でも、言うだけよ」

「大事な時期にある人が人生の難しい瞬間にあるときは、振る舞い方があるはずよ。もっとデリケートでいられたはずなのに、スパレッティがそうじゃなかったのは確か。私はそういうことからも人を判断する。だから、彼の採点はとても低いわ」

また、イラリー夫人はジェームス・パロッタ会長に対しても辛らつなコメントを発した。パロッタ会長が以前、トッティについて「頭が言うようにはもう体ができなくなっている」と発言したことについて、次のように述べている。

「言わせないで。じゃないと、騒ぎになるわ。思うのは、『頭があるなら話す前に考えるはずだけど』ということかな。(前会長の)センシファミリーとの関係は違う類のものだった。もっとファミリーな感じだったわ。でも、今はもっとビジネスライクね」

夫人がクラブとチームのトップにこれだけ批判的なコメントをしたのであれば、騒動となることは避けられない。『ガゼッタ』によると、トッティは26日の練習前にスパレッティ監督と話し合ったそうだ。内容は不明とのことだが、会談後に両者はやや落ち着いた表情を見せていたという。スパレッティ監督は、トッティが困惑していることを理解したとも伝えられている。


その後、トッティは広報を通じて声明を出し、スパレッティ監督やパロッタ会長とは問題がないと強調している。


「イラリーの言葉で、自分を愛してくれる女性がいかに夫の困難を和らげてくれるものかをさらに理解した。昨季の自分のつらさを、彼女もいかに苦しんだかに気づいた」

「でも、今ははっきりさせておきたい。パロッタ会長と、スパレッティ監督とは、完全に共鳴している。監督をすごく尊敬しているし、会長とは率直かつ誠実な関係にある。僕ら全員がローマのためという同じ目標に向かっているんだ。何度も繰り返してきたようにね」