岸辺露伴 ルーヴルへ行く


ルーヴル美術館特別展「ルーヴル No.9 〜漫画、9番目の芸術〜」が7月22日から六本木・森アーツセンターギャラリーで開催されます。

フランス語圏の漫画文化である「バンドデシネ」。ルーヴル美術館では近年注目されているバンドデシネにスポットライトを当て、作家たちに「ルーヴル」をテーマに作品を制作してもらう「ルーヴル美術館BDプロジェクト」を進めています。もともとフランスでは「建築」「彫刻」「絵画」「音楽」「文学」を芸術として分類していて、その後の新興勢力による文化闘争の結果、第六の芸術に「舞台芸術」、第七に「映画」、第八に「メディア芸術」が定着しました。そして第九の芸術と呼ばれるようになったのが「バンドデシネ」です。



ルーヴル美術館の魅力を広めるためにスタートしたこのプロジェクトでは、フランス内外の漫画家がルーヴル美術館をテーマに作品を制作。日本からは「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズ作者の荒木飛呂彦氏、「孤独のグルメ」作者の谷口ジロー氏、そして「鉄コン筋クリート」などで知られている松本大洋氏が参加しています。

「ルーヴル No.9 〜漫画、9番目の芸術〜」では彼らの作品展示はもちろん、それに加え、300点に及ぶ原画や映像資料などが公開されます。また、4名の有名な日本人漫画家たちによって本展のために描き下ろされた作品たちにも注目です。



ルーヴル美術館や、美術館が所蔵するアイコニックな作品をモチーフに作品を描き下ろしたのは五十嵐大介氏、坂本眞一氏、寺田克也氏、ヤマザキマリ氏。



五十嵐氏は「サモトラケのニケ」を幻想的に描き、坂本氏はフランス革命を見つめる「モナリザ」とダ・ヴィンチの思いを表現したということです。それぞれの漫画家たちの作品を見ながら、ルーヴル美術館を身近に感じることができるでしょう。

さらに、音声ガイドを務めるのは人気アニメ「進撃の巨人(リヴァイ役)」や「おそ松さん(チョロ松)」などの代表作を持つ人気声優・神谷浩史さん。漫画を通して「正義や悪の概念を覚え、恋愛や失恋を知り、人を思いやる心と想像力を養った」と話します。普段はアニメに息を吹き込む神谷さんのガイドも楽しみですね。

ハードルが高いと思っていた芸術も、もっと楽しむことができそうな「ルーヴル No.9 〜漫画、9番目の芸術〜」。冬には大阪で、また2017年には福岡や名古屋も巡回予定です。

■開催概要
ルーヴル美術館特別展「ルーヴル No.9 〜漫画、9番目の芸術〜」
会期:2016年7月22日(金)〜9月25日(日)
会場:森アーツセンターギャラリー 六本木ヒルズ森タワー52階
住所:東京都港区六本木6-10-1

副編集長 西岡舞子