体感する地球儀・天球儀展


大日本印刷株式会社(DNP)がフランス国立図書館(BnF)の所蔵する歴史的地球儀と天球儀(地・天球儀)のコレクションのうちとくに貴重な55点を3Dデジタルデータ化。そのうち10点が展示されるのが「体感する地球儀・天球儀展」です。10点は前期と後期に分けて公開されていて、9月4日まで無料で楽しむことができます。後期が6月3日からスタートしたばかりのこの展覧会にさっそく行ってきました。

■3DデジタルデータとVR技術で天球儀の中に入れる
天球儀は本来は空を見上げないと見えない星空が描かれています。これは「神からの視点」で、実際に私たちが見ている星空とは少し違います。ここではヘッドマウントディスプレイを装着して、3DデジタルデータとVR(仮想現実)技術によって、自分が「バラデルの天球儀」の中に入り込んだような体験ができるというわけです。足元から天上までぐるりと広がる世界は360度。天球儀を中から観察するという新しい体験に大興奮です。

■実物展示と4K画像をじっくりと鑑賞


展示エリアでは、貴重な地球儀や天球儀が公開されていますが、注目したいのはそれぞれの前に設置されているタブレット。



3Dデジタルデータによる「3D 地・天球儀」を高精細3Dデジタルビューワで鑑賞できます。これは「ヴェルザーの地球儀」で、新世界への航海や貿易の様子を伝えるために16世紀ドイツの大銀行家ヴェルザーが作らせたもの。銅に彫刻が施された名品です。

実際の作品には手を触れることはもちろんできませんが、タブレット上でくるくると作品を回転させ細部まで楽しむことができました。拡大、縮小もできるほか、作品の見どころ情報も表示されます。4Kの高精細な画質なので、もしかすると肉眼で見るようりきれいに見えるかも!



作られた年代によって、アメリカ大陸がなかったり、日本の位置や大きさが違ったりするので、世界にまだ未知の領域が存在していた当時の様子を想像することができました。

■展示のない55点全てのデータも閲覧可能
そのほかにも、展示されていない作品もデータで閲覧することができます。今回3Dデジタル化された地・天球儀は55点。展示作品を見た後ではほかの作品たちも気になってしまう、という人には嬉しい企画ですね。大きなモニターを直接触りながら閲覧できるので、作品を直感的に楽しむことができます。

日本初公開となるBnFの地・天球儀の実物展示や、DNPが独自に開発した撮影ツールによってデジタル化されたコンテンツを楽しめる「体感する地球儀・天球儀展」。大人にも子どもにもオススメです。

<開催概要>
フランス国立図書館 × DNPミュージアムラボ
「Globes in Motion フランス国立図書館 体感する地球儀・天球儀展」

会場:東京都品川区西五反田3-5-20 DNP五反田ビル1F
会期:2016年6月3(金)〜9月4日(日)(後期)
会館時間:金曜18:00〜21:00、土・日曜10:00〜18:00
申込・問い合わせ:観覧には予約が必要です(観覧は無料)
         <ウェブサイト> http://museumlab.jp/bnf 
         <カスタマーセンター> TEL:03-5433-0880