昨夏は鳥羽がベスト16、今春の選抜では龍谷大平安がベスト4と地力の高さを見せる京都府。この夏はどんな学校が有力なのだろうか。

今年は龍谷大平安、京都翔英の二強が軸 この二強を追う学校は?左から 市岡 奏馬(龍谷大平安)、石原 彪 (京都翔英)

 選抜ベスト4の龍谷大平安、春季大会優勝の京都翔英が優勝争いの軸になりそうだ。

 龍谷大平安のエース市岡 奏馬(3年)は球威あるストレートとキレ味鋭い変化球を操る好左腕。打線も西川 藍畝(3年)、橋本 和樹(3年)、冨田 慎太郎(3年)と並んだ主軸のスイングは鋭く、下級生ながら岡田 悠希(2年)にも一発がある。久保田 悠(3年)、小川 晃太朗(3年)は俊足が売りで市岡は打者としてもセンスが光る。もちろん伝統の堅い守りは健在で攻守共に隙は無い。

 春にその龍谷大平安を破った京都翔英は捕手で4番の石原 彪がチームの要。中学時代にU-15代表で4番を務めた打力ももちろんだが最大の武器は超高校級の強肩で、一直線に伸びる二塁送球はコンスタントに2秒を切る。最高タイムはプロ顔負けの1.75秒、打者無し(イニング間の送球)なら1.68秒を記録したことも。ラストイヤーに初となる夏の聖地を狙っている。

 今春、準々決勝で鮮烈な活躍を見せたのが京都国際の清水 陸哉(3年)。飛ばすポイントを心得ている右のスラッガーは日星戦で4打数4安打2本塁打8打点と大爆発した。俊足強肩の持ち主で投げても最速143km/hの右の本格派、投打両面でスカウトが熱視線を送る逸材だ。

 他に今春活躍が目を引いたのが塔南と宮津の公立勢。準優勝の塔南は能力も将来性も高い築山 雄介(3年)、西原 大智(3年)の右腕2人を筆頭に豊富な投手陣を擁し連戦でも駒不足になる心配がない。宮津の河邉 康平(3年)はストレート、スライダー共にキレが良く、左腕に限定するなら龍谷大平安の市岡に次ぐ存在になり得るほど。どちらも公立校が勝つための必須条件、好投手を抱えていることから金星を挙げ旋風を巻き起こす可能性を秘めている。

 昨秋準優勝ながら主力を怪我で欠き春はまさかの初戦敗退を喫した福知山成美は巻き返しなるか。矢野 広将(3年)、田井中 秀虎(3年)、森下 リズム(3年)ら打てて走れる選手を中心にした打線で勝機を見出したい。

 シード権を獲得したのは塔南、宮津、京都国際、日星、龍谷大平安、京都外大西、京都廣学館、京都翔英の8校。逆に昨夏優勝の鳥羽や準優勝の立命館宇治、福知山成美、京都成章、東山、西城陽、141キロ右腕・上野 晃徳擁する乙訓などがシード漏れ。初戦から強豪同士の潰し合いや1つのゾーンに固まり超激戦ブロックとなることも起こり得る。例年以上に組み合わせ抽選が鍵を握りそうだ。

(文・小中 翔太)

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