都城vs宮崎日大
山本由伸(都城)
昨夏、第97回全国高等学校野球選手権宮崎大会の準々決勝。
「(第3シード)宮崎日大 1−0 都城(第6シード)」
都城は、石原 与一主将のもと、山本 由伸−山本 陽盛の2年生バッテリーを擁して甲子園出場を狙ったが、緊迫した投手戦の末、悔しすぎる惜敗を喫した。昨夏、13年ぶりに甲子園出場を果たした宮崎日大を、都城が一番苦しめたといっても過言ではなかった。
その時、コーチとしてベンチワークを束ねた石原太一(石原 与一主将の兄)が、昨秋大会(第137回九州地区県予選)終了後から監督として都城を率いている。
そして、今大会で、「宮崎日大vs都城」が実現した。両校ともに、昨チームの主力選手を主軸に残し、今年の夏を占う今大会の最注目カードとなった。
都城・石原太一監督は試合前、「去年の夏の悔しさを晴らそう!」と、山本 由伸に発破を掛けた。その監督の期待に応えるために、先輩達の借りを返すためにも、山本 由伸が投打に大活躍!
都城は、初回二死二塁から、4番・城村の適時二塁打!5番・山本 由伸の適時二塁打!6番重満の適時打!3連打で3点を先制して、宮崎日大の先発・瀧本をマウンドから降ろした。
8回に左越えソロHRを放つ山本由伸(都城)
ここから宮崎日大の伊藤、都城の山本 由伸、両エースが投手戦を展開したが、一枚上手だったのが都城の山本 由伸!
強力な宮崎日大打線を相手に、4回までノーヒットピッチング(2死球あり)、5・6・7回に単打を1本ずつ許すも、3安打・14奪三振で完封した!さらに、8回には、自身第5号となる左越えソロホームランを放った!ピッチング同様、力を抜いてリラックスしたフォームから振りぬかれるバットは、一見、ボールを撫でるようにも見えるスイングだが、面で捉えるミート力が優れて、角度の良い打球は伸びる。
約1年の間に大きく成長した山本 由伸の姿に、なすすべがなかった宮崎日大ナイン。終盤7回二死二塁から、代打淵ノ上の鋭い打球がセンター前に抜けるか?と、思われた一打は、都城のショート・黒木の好守に阻まれた。
石原監督は、「今日は守備様様。本当に良く守ってくれました。(都城は)山本 由伸のチーム、打撃のチームと良く言われますが、(特に)黒木を中心に、守備から流れをつくるチームです」と言うように、投・攻・守、いずれも高いレベルで、まとまりのあるチームに仕上がってきた。
あとは、仮に、1点を争う激闘になった場合、石原監督がどのような采配をみせてチームを勝利へ導くか?ガチの投手戦をものにすることができるか?そのような試合が見られる日を楽しみとしたい。
また、今年の夏も「都城vs宮崎日大」のカードが、どこかで実現するかもしれない。
2年連続となる夏の甲子園出場がかかる宮崎日大が、今大会のリベンジを果たすか?夏にむけたラストスパートで、総合力に磨きをかけてくることだろう。
一方、2年連続で同じ悔しさを味わいたくない都城。今大会に続いて、今年の夏は宮崎日大ら強豪校をねじ伏せて甲子園出場なるか?
両校が、どのパートから頂点を目指す夏になるのか。夏の組み合わせ抽選会は21日後に迫っている。
(写真・文=三角 竜之)
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