AFX通信によると、英サッカー・プレミアリーグの名門、マンチェスター・ユナイテッドの取締役会は13日、同チームの過半数株式を取得し、経営権を掌握した米国の大富豪マルコム・グレーザー氏の株式保有比率が75%を超えた時点で、「不本意ながら」、グレーザー氏の買収を認める見通しだ。15日付け英日刊紙インディペンデント日曜版が情報源を明かさず報じた。

  グレーザー氏は13日のロンドン市場の通常取引終了時点で、マンU株式を74.8%まで買い進めており、75%に達するのは時間の問題と見られる。株式保有比率が75%を超えれば、グレーザー氏はマンUを上場廃止し、個人所有のチームにすることができる。

  一方、英サンデー・タイムズは、グレーザー氏が7億9000万ポンドをかけたこの買収で、ニューヨークのヘッジファンド・シタデルやオクージフ・キャピタルマネジメント、ペリーキャピタルなどが約2億7500万ポンドを出資していると伝えた。サンデー・タイムズは、ヘッジファンド3社が買収の一部として発行された優先株を購入した模様。グレーザー氏は株の利子を支払い、後に優先株を買い戻すオプションがあるとしている。

グレーザー氏の買収資金は、銀行からの2億6500万ポンドの借り入れにも支援されており、マンUファンは、借金に頼った買収でクラブの財務状態が悪化し、選手獲得資金に影響が出ることを懸念している。マンUは現在、債務もなく、例年利益を上げており、サッカークラブの中で最高の財務体質を誇っているが、ファンクラブの一部にはマンUの試合と関連商品のボイコットの動きが広がっている。【了】