高知vs土佐
前日に自己最速146キロ・この日も143キロを出した高知先発・谷脇 瑞基(3年)
常時130キロ中盤。スイッチを入れれば最速143キロをはじめ140キロ前後。最速142キロを出した春季四国大会から高知・谷脇 瑞基(3年・投手・右投右打・186センチ78キロ・土佐清水市立清水中出身)は、さらなる進化を遂げていた。
ちなみに谷脇は前日の準々決勝・土佐塾戦で最速146キロも計測。これは昨年3月に明徳義塾・國光 瑛人(3年・投手・右投右打・179センチ75キロ・龍野ボーイズ<兵庫>出身)、昨年6月に鳴門・中山 晶量(3年・投手・右投右打・186センチ78キロ・生光学園中<ヤングリーグ>出身)が出した球速に並ぶ「現役四国最速タイ」である。
その理由は飽くなき探求によって生まれた。「四国大会が終わった後、『自分の武器を見つけろ』と(島田 達二)監督に言われたので、インコースを強みにするために、腕を少し下げて下半身からの移動を意識するようになったら、スムーズに腕が出るようになったんです」と谷脇。これがスピードの上昇と大会3連投でも「いつもより楽に投げられるようになる」投球負担軽減と、8番に入った打席での3回裏二死満塁での左中間決勝2点二塁打含む2安打3打点を呼んだ。
高知野手陣もこれに感化され、終盤に中盤以降5点を奪ってライバル土佐に8回コールド勝ち。谷脇も8回打者32人・130球4安打6奪三振4四死球2失点・自責0の好投。今大会は谷脇の成長を促すべく、あえて吉村 大輝(3年・172センチ72キロ・右投右打・高知中出身)の登録を外した指揮官の期待に十分応える活躍だった。
にもかかわらず「8回に二連打されてしまったし、スタミナは課題。夏までに自分1人で投げられるようにならないと」と、にもかかわらず上昇意欲を失わない谷脇。その先には四国を代表する「本格派右腕」への道が確かに開けている。
(文=寺下 友徳)
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