【米国はこう見ている】イチローの打撃技術に地元解説者も脱帽「本当にすごいよ、イチロー」
地元テレビ中継でも3000安打カウントダウン、注目浴びる金字塔
マーリンズのイチロー外野手が13日(日本時間14日)の敵地メッツ戦で今季初めてスタメン出場し、4回に右中間を破る技ありの二塁打を放った。これでメジャー通算2937安打とし、3000安打の金字塔に残り63本。米テレビ局でもカウントダウンを始めており、解説者は絶妙なバットコントロールに脱帽。この日は4打数1安打で、打率.286となった。試合はメッツに1-2で敗れ、3連勝はならなかった。
「2番・センター」で出場したイチローは4回先頭の第2打席で“匠の技”を見せた。相手先発ベレットに2ストライクと追い込まれたが、3球目の低めに沈むナックルカーブを完璧に捉えた。打球は右中間を深々と破った。
試合を中継した地元テレビ局「FOXスポーツ・フロリダ」の実況はこの一撃に大興奮。「イチローが右中間方向に打った。これは三塁打になるかもしれない。イチローは二塁で止まった。これが今季2安打目です。昨晩ヒットを打っていました」
こう伝えると、通算2937安打となったことを紹介。メジャー通算3000安打に迫る様子を伝えた。また、現役時代にマーリンズ、メッツなどで活躍した元162勝左腕のアル・ライター氏はこの日の解説でメジャー16年目を迎えたイチローのバットコントロールを絶賛。「球速の遅い内角低めの変化球。(第1打席の)レフトフライのボールと同じですね。いいバッティングです。本当にすごいよ、イチロー。バットの軌道をベース上に保ちましたし、外野に打ち返しました。ナイスヒットです。三塁は狙いませんでしたね。数年前なら三塁打だったと思います」と賛辞を贈った。
敵地メディアも称賛「ワンバウンドしそうなボールを…」
また、敵地に中継したテレビ局でも、ベテランの打撃を称賛。
ニューヨークでメッツ戦を放送している「SNY」の解説者で、現役時代メッツなどで活躍したロン・ダーリング氏はこの日、6回3安打無失点と好投したベレットの投球を褒め、「イチローが全盛期なら自動的に三塁打でした。ほとんどワンバウンドしそうなボールでしたが、イチローはナイスバッティングです。カーブです。いい回転がかかっています。コースもいいですね。それでも打たれました。時にいいボールを投げても(投手は)代償を払うことになるのです」と解説した。
実況が「メジャーで2937本ヒットです」と伝えると、ダーリング氏は 「どのような形でも(3000本に)たどり着くことを願っています。マーリンズの選手にも怪我人が出るでしょうから」とエールを送った。
達成すればメジャー30人目となる3000安打。イチローのマイルストーンへの道のりはマイアミのみならず、全米で大きな注目を集めている。