広西チワン族自治区のメディア、南国早報は28日「桂林の刑務所、“美しき悩み”に遭遇」と題する記事を掲載した。(写真は南国早報の28日付紙面の画面キャプチャー)

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 広西チワン族自治区のメディア、南国早報は28日「桂林の刑務所、“美しき悩み”に遭遇」と題する記事を掲載した。

 同自治区桂林市の刑務所では、敷地内で栽培している桃が満開を迎えた。桃を植えたのは2006年で、面積は3ヘクタールあまりだ。受刑者がいる場所ではないこともあり、刑務所側は当初、桃の花の鑑賞に来た一般人の立ち入りを認めていた。2月中旬になり見物人が突然、多くなったという。20日には1万人以上が中に入って桃を眺めた。

 ところが、ごみを捨てて去る、写真撮影のために木を揺らして花を散らせる、なかには大枝を折るなどの「犯罪行為」も出始めた。放置されるごみの量が清掃担当者の手に負えなくなったこともあり、刑務所側は、25日からは外部者に入場させないことにしたという。

 刑務所はゲート外に「刑務所の仕事の必要から、立ち入りと見学はお断りします」と書いた立て看板を設置した。しかし、土曜日だった27日には、多くの人がつめかけた。「開放の停止」を知らなかった人が多く、ゲートで付近で「入れろ」、「だめです」との押し問答が続いた。

 「金を払うから入れてくれ」と言い出す人もいた。対応に当たった警察官は「ここは公園ではありません。料金を取って人を入れることはできません」などと説明を繰り返した。

 押しかけた人々の中から、「桃の園」を囲む塀を乗り越えて、刑務所敷地内に入る人がで出始めた。警察官が見つけるたびにかけつけて、やめるよう説得した。塀を乗り越えようとしていた女性に「壁を超えないでください。本当にあぶないです。もし転落してけがをしたら、だれが責任を取るのですか」などと言い続けたが、女性は構わずに中に入ってしまったという。

 同話題について、中国のインターネットでは「普通は脱獄したいと思うものだが、刑務所に入るために知恵を絞る人もいるんだなあ」などの書き込みが寄せられた。(編集担当:如月隼人)(写真は南国早報の28日付紙面の画面キャプチャー)