3Dプリンターで拳銃を作る試みは世界中で行われており、日本でも逮捕者が出るなど、誰でも銃をプリントアウトできる状況は大きく問題視され規制の必要性が議論されています。そんな中、銃規制に触れることなくセミオートマチック式の銃を3Dプリンターで自作した人が登場して、その性能をムービーで公開しています。

Someone (Mostly) 3-D Printed a Working Semi-Automatic Gun | WIRED

http://www.wired.com/2016/02/someone-mostly-3-d-printed-a-working-semi-automatic-gun/

自作のセミオートマチック銃の発砲実験の様子は以下のムービーで確認できます。

shuty-MP1 test fire - YouTube

このセミオートマチック銃「Shuty MP-1」を作ったのはアメリカ・ウェストバージニア州に住む「Derwood」(仮名)と名乗る47歳の男性。発射の様子を公開したのは「Shuty MP-1」という名のセミオートマチック銃で、95%の部品をPLA樹脂で3Dプリントしたものだとのこと。

なお、Derwood氏はShuty MP-1を組み立てる様子のムービーも公開しています。

Shuty MP-1 3d-printed 9mm semiauto! - YouTube

これがDerwood氏が3Dプリンターで作成したセミオートマチック銃「Shuty MP-1」



机の上にShuty MP-1を構成するパーツをずらりとならべ、銃のパーツを組み立てていくDerwood氏。







要所要所でネジ止めしています。Shuty MP-1は強度の必要な部分やバネなどは既成品の金属パーツを使うことで耐久性を高めているとのこと。そのため、「3Dプリントされたのは銃の95%」というわけです。



マガジン(弾倉)部分の組み立て作業。



弾を込めていきまます。





後はこれらを組み上げるだけ。



バレル(銃身)の中はこんな感じ。



金属の入った筒状のパーツを……



中に挿入。



金属の棒を挿し込んでバネを通します。



フタを閉じて完成。



スライドさせるネジを取り付けて……



銃身を銃本体に装着。



発射の際にかなり大きな衝撃が加わる部分なので、しっかりとネジで固定しています。



この段階でスライド具合をチェック。



最後にこのパーツを……



銃の天面に取り付ければ銃本体は完成。



弾の込められたマガジンを取り付ければ……



Shuty MP-1の完成です。



Derwood氏によると、Shuty MP-1の作成に使った金属パーツはすべて汎用品で、銃規制の対象になっておらず、Shuty MP-1は合法的に製作された銃で、登録の義務もないとのこと。Shuty MP-1はムービーにあるとおり、弾を連続で発射する能力を持っており、最高18連射が可能。18連射以上すると樹脂パーツが変形して壊れる恐れがあるので、18連射後は冷却する必要があるとのこと。ただし、間隔を置きさえすれば再び弾を連射することができるそうです。

Derwood氏は銃を「自分の手で作り上げること」に楽しみを見いだしているため、3Dプリンターによる自作は完全に個人的なもの。他人に自作した銃を譲り渡す気はなく、設計図面を公開する気もないとのことです。