学生の窓口編集部

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1月1日放送、「和風総本家」(テレビ東京)では、ロサンゼルスで活躍する日本製のアイスピックについて。

ロサンゼルスの老舗レストランバーでは、日本製の新潟で作られたアイスピックが活躍しているという。新潟燕市にあるという山忠という工場で作られている。最初に、本多成型工業という工場で長さの違う薄い木の板を3列に並べて重ねる。積み重ねた板はプレス機にかけられて成型される。別の工場では他のパーツが作られる。材料は金属の棒。錆びにくいステンレス鋼で、650度の炉の中で熱してから成型する。最後に山忠で仕上げが行われ、アイスピックが出来上がった。

山忠とは父の名前から取った屋号。二代目の和俊さんは工場を拡大したがニクソン・ショックによって一度工場を閉鎖。しかしかねてから作りたいと思っていた特徴的なアイスピックを製作。登山につかうピッケルのような形から、アイスピッケルと命名した。しかし自動製氷機の登場でアイスピックの売上は激減。工場のある燕市でも、アイスピックを作っているのは山忠だけだ。

ロサンゼルスにあるコールズという店では、バーで山忠のアイスピックを使っている。山忠のアイスピックを使うと、カクテルに必要な精度の高い氷を砕けるという。山忠のアイスピックを使って氷を削ると、異なるカクテルでも水面の高さを揃えられる逸品だという。

ちなみにアイスピックはつぶ貝の身を切り開くのにも使える。アイスピックなどでつくようにして穴を開け、穴から上の方に差し込む。貝の一番硬く堅牢な筋肉を切り裂くようにしてこじあけ、今度はフォークに持ち替えて蓋の身を引き出す。

でなければもう一度アイスピックに差し込んで筋肉や筋を傷つけ、引き出してみる。そうすると中身とワタが一緒にどっとでてくるので、内臓が出たあとは振ってしまえば中身はすべて出てくる。調理にも使えるのでアイスピックは一家に一本あるといいだろう。

アイスピックは上質の鋼製のものやチタン製のものなど、また柄まで総金属製のものなどさまざまなものがある。昔は専門業者から氷を買い、塊でもらっていた氷を適当な形にするのにアイスピックは必須の道具だった。冷蔵庫が普及した現在では、一部の飲食店でのみ使われるようになり、家庭での使用はあまり行われなくなっている。が、レストランやバーなどでは雰囲気を出すために使われている。