TBS「プロ野球戦力外通告 クビを宣告された男達」(12月30日放送)では、今季戦力外通告を受けた選手達に密着。実際の生活やトライアウトで再起をはかる模様を伝えた。

その一人として紹介されたのが、2年連続の戦力外通告を受けた元千葉ロッテマリーンズ・矢地健人(27)だ。2009年育成選手として中日入りを果たした彼は、2軍戦で結果を残すと支配下選手登録となり、2010年4月に1軍昇格を果たした。

しかし、同年4月18日の広島戦でプロ初登板のチャンスを掴むも、渾身のストレートは梵英心の顔面に。矢地は危険球で退場し、そのまま2軍に降格してしまう。

それでも2年目は2軍でセーブ王を獲得。その頃に現在の妻である望さんと出合い、2014年4月に結婚するも、その年の10月、矢地は最初の戦力外通告を受けた。

結婚式は取り止め、望さんは出産準備に。矢地はトライアウトに臨むと千葉ロッテからオファーが舞い込んだ。その翌日に長男が誕生した彼は、千葉ロッテで1軍登板を果たすなど順調な滑り出し。延期になっていた結婚式場を再び予約した。

だが、その後の矢地は安定した成績を残せず、1軍定着とはならなかった。すると2015年10月、2ヵ月後に一度は延期を決めた結婚式を控えていた彼は、球団から2度目のクビを宣告された。

「私のサポートが足りなかったのかなという思いは頭をよぎりました。試合後のご飯だとか、朝食だとか。挙げればキリがない。戦力外になったから、もっとすればよかったなと思うのは遅いんですけど自分の力が足りなかった」。

こう話し、自分を責める妻に、矢地は「活躍できなかったのは単に僕の実力不足ですよね。そうやって気を遣って貰えるだけでも僕はありがたい」とフォロー。結婚式については「僕の親族だけだったらいいんですけど、嫁さんの親族もいるんで。こんな人と結婚したのって思われても嫁さんはマイナスにしかならない。12月13日までには決めたいですね。僕が頑張らなくちゃ、そこは何ともならない」とトライアウトに向けて意気込んだ。

11月のトライアウトでは打者3人と対戦。3人目の打者には三遊間を抜かれてヒットを許すも「悪くはないと思います。満足いく投球ができた」と手応えは掴んだ様子の矢地は、社会人チームの東海REXから入団テストのオファーが舞い込んだ。

プロへのこだわりを「ないって言えば嘘になる」と悩んだ矢地だったが、「僕がやりたいと言ったところで声がかからないとできないですし、家族あっての僕でもある」と東海REXのトライアウトを受けると入団が決定。結婚式を前に進路を決めることができた。