化粧をしたままベッドに...はNG!

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パーティーシーズン。ばっちりメイクで臨んだはいいが、深夜まで飲んで帰ると落とすのが面倒だ。「ま、いっか」とそのままベッドへ倒れこみ、翌朝鏡を見てどっぷり後悔に浸る...そんな経験はないだろうか。

「保湿」を忘れないように

ポーラ・オルビスグループのディセンシアが20〜40代の働く女性に対して行った調査によると、お酒を飲んだ後、化粧をしたまま寝てしまうことが「よくある」と回答した女性は20%、「たまにある」と答えた人と合わせると56%。化粧を落とさずに寝た経験がある人がかなりいることがわかった。

化粧をしたまま寝ると、肌にどのような影響があるのだろうか。アンチエイジング医師団のメンバーで皮膚科専門の山田秀和医師(近畿大学奈良病院教授)、山下理絵医師(湘南鎌倉総合病院形成外科・美容外科部長)に聞いた。

「ファンデーションや日焼け止めなどは、必要がなくなったら早く取り除いた方が 皮脂や汗の産生に影響しにくいし、表皮への影響時間が少ない方が、肌荒れのリスクは減ります」と山田医師。

山下医師は「化粧を落とさないのもよくありませんが、長時間保湿ケアをしないことの方が問題」と指摘する。

「保湿しないと角質水分量が減り、しわやたるみの原因になります。アルコールを摂取するとのどが渇くのは、脱水になっている証拠。それに、お酒を飲みながら食事をする人は、脂肪分を摂り過ぎてニキビができるというのもよくあるトラブルです」

アルコールを飲むと血管が拡張する。少量であれば肌に赤みがさし、若く見える効果もあるが、度を越すと炎症を引き起こすこともある。

「少量のアルコールは寿命を延ばしたり、ストレス解消になったりするというプラスの要素はありますが、アルコールが代謝されるときに活性酸素が増えるので、細胞レベルでのダメージはあります。肌にとっては飲まないに越したことはありません。年末年始は、お酒の量も増えがちですが、アルコールは"毒"だとわかって飲むことが大切です」と山下医師。

「裏ワザ」を覚えておこう

しかし、よくないとわかってはいても、酔って帰って化粧を落とし、保湿までするなんて面倒なこと、ムリ...と言う人もいるだろう。そこまで飲まなきゃいいのだが、オンナにはいろいろな事情もある。

そんな場合の「裏ワザ」を、美容・医療ジャーナリストの海野由利子氏に教わった。

「洗い流さなくてもいい拭き取りタイプのクレンジング剤もありますし、メイクは油分で落とせるので、普通の乳液やクリームでもいいのです。落ちにくいアイメイクなども、乳液をつけて軽く指先でくるくるなじませてコットンやティッシュでやさしく拭き、さらに乳液で保湿すると、乾燥もある程度は防げます」

不測の事態に備え、ベッドから手の届くところに乳液と美容液など「レスキューアイテム」を置いておくのがおすすめだという。

それすらもできずに寝てしまった場合、翌朝の肌の回復法を前出の山下医師に聞いた。「まずは体内に水分補給を。朝、たくさん水を飲むことが大切です。顔はホットタオルで温めるか顔に蒸気をあて、その後洗顔し、十分に保湿をします」

山下医師は、できれば翌日はファンデーションをつけないほうがよいと言う。「そもそも、メイクは基本的に肌によいものではありません。でも、女性にはいろいろな勝負時間がありますし、化粧はマナーと考える人もいますから、そうもいきません。おすすめは保湿をしたあとに日焼け止めを塗り、目元だけにポイントメイクをすること。ファンデーションなしでもメリハリはつけられますよ」

化粧は女の武器にもなるが、装着したままだとダメージになることも。どんなにへべれけでも、鎧は寝る前に脱ごう。[監修:山田秀和 近畿大学医学部 奈良病院皮膚科教授、近畿大学アンチエイジングセンター 副センター長/山下理絵 湘南鎌倉総合病院形成外科・美容外科部長]

(Aging Style)