日本テレビの本社が、麹町(東京都千代田区)から汐留(港区)に移転してから、早11年。かつての本社は「麹町分室」と名前を変え、一部の番組収録が継続されている。

麹町時代の旧本社には、道路沿いにガラス張りの「マイスタジオ」があった。かつては毎日「ズームイン!!朝!」などが生放送されていたスタジオだが、移転後の2005年からは「日本テレビ麹町診療所」に衣替えした。日テレ局員以外でも使えるとあって、地域のクリニックとして愛されている。


再開発が予定されている日本テレビ麹町分室(2015年11月4日、編集部撮影)

そんな診療所が2015年11月20日、「再開発」を理由に閉院するという。日本テレビは13年8月、旧本社ビル周辺を再開発し、スタジオと商業ビルを建設すると発表しているのだ。地域で愛された診療所が消えることに、なぜか他局の看板アナウンサーから惜しむ声が聞こえている。

安住アナ「業界トップは違うなあ」

閉院を嘆いているのは、毎年「麹町診療所」でインフルエンザの予防接種を受けているという、TBSアナウンサーの安住紳一郎さん(42)。10月25日放送の「安住紳一郎の日曜天国」(TBSラジオ)では、興味本位で初訪問した4年前のことを語っていた。

「業界トップは違うなあ。自分が働いている放送局が、いかにダメかよくわかったりする」
「予防接種というのは、どういうものですか? 身体に免疫を付けるんですよね? 他局に行って、居づらさの中で(予防接種を)受けるのが最も免疫がつく行為だろうな」

閉院のお知らせが張られている(2015年11月4日、編集部撮影)

それから常連になった安住アナだが、閉院すると耳にして、「『えーっ、残念』って肩を落としている状況」。これまでの感謝を述べながら、「いつか、なにかの形でご恩を返したいなと考えております」と語っていた。

なお、診療所の公式サイトによると、12月1日から紀尾井町(千代田区)に内科クリニックを開設するという。安住アナはこれから、そちらを安住の地とするのだろうか。


一帯では再開発が行われる(2015年11月4日、編集部撮影)