高松商vs池田
1回表高松商無死三塁から右越大会第1号2ランの2番・竹内 啓人(2年・左翼手)
1番・安西 翼(2年・中堅手・右投左打・170センチ58キロ・高松ボーイズ出身)が池田先発・西岡 宏晟(1年・左投左打・168センチ57キロ・三好市立池田中出身)真ん中高めストレートを完璧に捉える右越三塁打。続いて2番・竹内 啓人(2年・左翼手・左投左打・183センチ71キロ・高松レイダース<ヤングリーグ>出身)が打った瞬間それとわかるライト芝生席への高校通算7号・今大会第1号の2ランアーチを放つ。
さらに池田2番手・河野 龍也(2年・右投右打・168センチ71キロ・東みよし町立三加茂中出身)からも3番・米麦 圭造(2年主将・遊撃手・右投右打・177センチ73キロ・東かがわ市立白鳥中出身)が右前打で出塁、犠打で二塁に進むと三盗成功。二死三塁からは6番・植田 理久都(1年・一塁手・右投左打・177センチ79キロ・東かがわリトルシニア出身)の左前打で計3点。鮮やか過ぎる高松商の速攻から試合は始まる。
さらに高松商は池田の攻撃を10月18日(日)の練習試合で最速を141キロに伸ばした先発・浦 大輝(2年・右投右打・179センチ79キロ・香川県立高松北中出身)が無難に2イニングしのぎ、3回表には池田・河野の3四死球で得た一死満塁から6番・植田がレフトへきっちりと犠牲フライ。これで勝敗は完全に決したかと思われた。
が、池田は怯まなかった。3対6で敗れるも健闘した。その一助になったのが病気療養のため春の県大会以来のベンチ入りとなった岡田 康志監督の采配である。たとえば、徳島県大会では先発要員だった河野を第2先発的に使った理由はこうだ。
池田2番手・河野 龍也(2年)
「西岡(侑晟)は一番コントロールがいいので、立ち上がりに試合を作るために1〜2回を投げてもらう予定でした。打たれたのは相手の力が上だったということです」その上で状況不利と見るや河野 龍也をすぐに投入。事実、河野は7回3分の2で6四死球を与えながらも4回以降の4イニングを無失点に抑える。
そして高松商・浦 大輝への絞り球も「低めだけには手を出すな」と徹底。これも3回裏一死一・三塁から3得点の口火を切る中越適時二塁打など4打数4安打の2番・松岡 翔(2年・三塁手・右投左打・173センチ65キロ・美馬市立脇町中出身)をはじめ計10安打と結果につながる。7回表、高松商の連携が少しでも乱れ中越同点ランニングホームランを狙った松岡のチャレンジが成功していれば、勝敗の行方は逆になったかもしれない。
ただ、東かがわ市立三加茂中時代には河野とのバッテリーで第4回春季全日本少年軟式野球大会に出場した4番主将・増井 大翔(2年・捕手・177センチ74キロ・右投右打)の敗因分析は極めて冷静だった。
「僕らは初回から余裕がなくめいっぱいで行ってしまい、終盤に足が動かなくなってミスが出てしまった。体力不足です」
まだ彼らには春・夏の県大会がある。収穫も課題も明確に出たこの日。「目的を持ってやっていけば面白いチームになる」(岡田監督)きっかけを池田は確かにつかんだ。
(文=寺下 友徳)
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