◇「私は、結構「何でも来い」でしたね。」


土屋: 歌手デビューって、どうやって決まるのですか?

白石: 私は、声優のラジオでユニットを作る新人オーディションに受かってそこに加入した感じですね。それは「パステル」っていうユニットだったんですけど。

野中: 私は事務所である日、マネージャーさんから「ラジオが決まった」とお話をされて、で「そのラジオのテーマソングでデビューします」と言われました(笑)。ソロデビューのお話です。

白石: パステルの後にDROPSというユニットがあってのソロデビューでしたね。さっきの写真はDROPSです。

土屋: 事務所的には、声優として大成するにはまずはアイドルとして、歌手として、認知度をあげようって考えなんですかね?

白石:どうなんでしょう、それがすべてではないと思いますが、戦略の一つではあるかもしれないですね。

土屋: 歌手デビューすると、お給料は増えるんですか?

白石: ユニットは、まぁプロモーションでいろいろやりますが…

野中: プロモーション扱いだと、ギャラがいただけないので…(笑)。

土屋: リアルな感じであざす!

野中: 逆に、お洋服とか困りました。お金はないのに、露出が増えると衣装代が大変で(涙)。

白石: そうそれ! 最初は私服で着られない派手なのとか買っちゃって(笑)。だから後々、私服でも着られる服を選ぶようになりました。

野中: そうそう(笑)。

土屋: いつまで自前だったんですか?

二人: 今でもありますよ!

土屋: へー!

白石: でも、ヘアメイクはつけてもらえることが多くなりました。

野中: 多くなったねー。

土屋: なるほど(笑)。アイドル時代って、声優業との平行で大変じゃなかったですか? 本当は声優業に専念したい、みたいことは?

野中: うーーーん。声優なのに「メイド服着てください」とか、アイドルさんと同じように言われるのが、少し困りました。

白石: 私は、結構「何でも来い」でしたね。別に声優でクッソ忙しいわけでもないですし、やらせてもらえるのは嬉しかったですから。大変だったけど楽しかったし、たくさん写真も撮ってもらえたりして、私の成長記録みたいな感じですね(笑)。

土屋: 白石さん「クッソ忙しい」とか、男前っすね(笑)。

白石: あはは。アイドル(?)も「声優・白石涼子」としてやってる感じなんで、あんまり分けて考えてなかったかな。楽しかったなぁ、だって普段着ないような服を着せてもらったり、「可愛い可愛い」と言ってもらいながら写真撮ってもらったり…はぁ。

野中:ため息(笑)。

白石:若かったな、と思って。

野中: 私は、そういうのが恥ずかしかったです。

白石:ホント? 恥ずかしかった?

野中:そういうのをやるために入ってないからね。

白石:でも、『幽遊白書』とかの時代にはもうキャラソン(キャラクターソング)とかあったじゃない? だから私も声優になれたら、キャラクターソングが歌いたいなとは思ってた。

土屋: 野中さんは、最初は歌が嫌いだったと聞いたんですが…アイドルって、やっぱ演じてるんですか?声優さんのように何かの役になりきっている、みたいな。

野中:ある意味演じている部分もあるかもです。私は宝塚歌劇が好きなんですけど、少しそこを意識して、あまりぶっちゃけすぎないというか……(笑)。

白石: みんなにちゃんと夢を見せてあげるみたいな?

野中: そうだね、夢を壊さないように………! 夢とまではいかないけど(笑)。

白石: 私はぶっちゃけだなぁ。声優という演じる仕事をしている割に、嘘が苦手で…。

野中:私も嘘をついているわけではありません(笑)。

白石:(笑)「こう見せよう」と思ってそれをちゃんとやりきる、みたいなのが得意ではないので、ぶっちゃけたほうが楽って感じですかね。

野中: 「こう見せよう」と意識しているわけじゃないよっ! まあ、チケット代のことを言わないとかかな(笑)。

土屋: チケット代(笑)。

野中: お金がないと興行は打てないけど、そういうところはあえて言わない(笑)。