土屋礼央の「ざっくり聞くと」(第11回)〜声優ってどんな仕事?野中藍さん・白石涼子さんインタビュー〜
◇「私は、結構「何でも来い」でしたね。」
土屋: 歌手デビューって、どうやって決まるのですか?
白石: 私は、声優のラジオでユニットを作る新人オーディションに受かってそこに加入した感じですね。それは「パステル」っていうユニットだったんですけど。
野中: 私は事務所である日、マネージャーさんから「ラジオが決まった」とお話をされて、で「そのラジオのテーマソングでデビューします」と言われました(笑)。ソロデビューのお話です。
白石: パステルの後にDROPSというユニットがあってのソロデビューでしたね。さっきの写真はDROPSです。
土屋: 事務所的には、声優として大成するにはまずはアイドルとして、歌手として、認知度をあげようって考えなんですかね?
白石:どうなんでしょう、それがすべてではないと思いますが、戦略の一つではあるかもしれないですね。
土屋: 歌手デビューすると、お給料は増えるんですか?
白石: ユニットは、まぁプロモーションでいろいろやりますが…
野中: プロモーション扱いだと、ギャラがいただけないので…(笑)。
土屋: リアルな感じであざす!
野中: 逆に、お洋服とか困りました。お金はないのに、露出が増えると衣装代が大変で(涙)。
白石: そうそれ! 最初は私服で着られない派手なのとか買っちゃって(笑)。だから後々、私服でも着られる服を選ぶようになりました。
野中: そうそう(笑)。
土屋: いつまで自前だったんですか?
二人: 今でもありますよ!
土屋: へー!
白石: でも、ヘアメイクはつけてもらえることが多くなりました。
野中: 多くなったねー。
土屋: なるほど(笑)。アイドル時代って、声優業との平行で大変じゃなかったですか? 本当は声優業に専念したい、みたいことは?
野中: うーーーん。声優なのに「メイド服着てください」とか、アイドルさんと同じように言われるのが、少し困りました。
白石: 私は、結構「何でも来い」でしたね。別に声優でクッソ忙しいわけでもないですし、やらせてもらえるのは嬉しかったですから。大変だったけど楽しかったし、たくさん写真も撮ってもらえたりして、私の成長記録みたいな感じですね(笑)。
土屋: 白石さん「クッソ忙しい」とか、男前っすね(笑)。
白石: あはは。アイドル(?)も「声優・白石涼子」としてやってる感じなんで、あんまり分けて考えてなかったかな。楽しかったなぁ、だって普段着ないような服を着せてもらったり、「可愛い可愛い」と言ってもらいながら写真撮ってもらったり…はぁ。
野中:ため息(笑)。
白石:若かったな、と思って。
野中: 私は、そういうのが恥ずかしかったです。
白石:ホント? 恥ずかしかった?
野中:そういうのをやるために入ってないからね。
白石:でも、『幽遊白書』とかの時代にはもうキャラソン(キャラクターソング)とかあったじゃない? だから私も声優になれたら、キャラクターソングが歌いたいなとは思ってた。
土屋: 野中さんは、最初は歌が嫌いだったと聞いたんですが…アイドルって、やっぱ演じてるんですか?声優さんのように何かの役になりきっている、みたいな。
野中:ある意味演じている部分もあるかもです。私は宝塚歌劇が好きなんですけど、少しそこを意識して、あまりぶっちゃけすぎないというか……(笑)。
白石: みんなにちゃんと夢を見せてあげるみたいな?
野中: そうだね、夢を壊さないように………! 夢とまではいかないけど(笑)。
白石: 私はぶっちゃけだなぁ。声優という演じる仕事をしている割に、嘘が苦手で…。
野中:私も嘘をついているわけではありません(笑)。
白石:(笑)「こう見せよう」と思ってそれをちゃんとやりきる、みたいなのが得意ではないので、ぶっちゃけたほうが楽って感じですかね。
野中: 「こう見せよう」と意識しているわけじゃないよっ! まあ、チケット代のことを言わないとかかな(笑)。
土屋: チケット代(笑)。
野中: お金がないと興行は打てないけど、そういうところはあえて言わない(笑)。