無残な開幕戦……組織力は低く、本田は消え、新加入選手も不発――フィオレンティーナ 2-0 ミラン
2015-16シーズンのセリエAが開幕。ミランは敵地でフィオレンティーナと対戦し、0-2で敗れた。黒星スタートは2シーズンぶりのことである。
17日のコッパ・イタリア3回戦でペルージャに快勝したミランだったが、やはりセリエBのチームと、Aのチームでは全く違っていた。しかもフィオレンティーナは、昨シーズン4位。10位のミランにとっては格上の相手であり、実際に試合は、その順位が反映される内容となった。
序盤からピッチを広く使い、6人の中盤選手が素早くパスを繋ぐフィオレンティーナの攻撃を、ミランは抑えることができない。簡単にペナルティエリア手前までの侵入を許し、何とか最終ラインで凌ぐ様は、昨シーズンと何ら変わりなかった。
攻撃では、カルロス・バッカとルイス・アドリアーノの新加入2トップと、トップ下・本田圭佑のコンビネーションに期待がかけられたが、フィオレンティーナの守備陣にFWふたりがしっかりマークされ、効果的な攻撃を見せることができない。
また、序盤は慎重だったミランは、武器である両SBの上がりも少なかったため、攻め手がなくなってしまった。相手がしっかりと守備網を張って待ち受ける状況では、自由に動けるトップ下が状況を打開する必要があるが、本田は周囲の動きがあってこそ活きるタイプであり、この状況では成す術がなかった。
それでも彼は、これまで通りに精力的なプレーでチームに貢献していた。自陣深くまで戻って執拗に相手を追い回したと思えば、次の瞬間には前線まで走り込んでボールを待つという動きの多さを見せていた。
しかし36分、CBロドリゴ・エリーがDFラインの裏に抜け出そうとしたニコラ・カリニッチを倒してこの試合2度目の警告を受けたことで、彼だけでなく、本田もピッチを去ることを余儀なくされてしまう。代わりのCB(クリスティアン・サパタ)を入れるためだった。
献身的な本田を残し、2トップのどちらかを下げるという選択肢もあったはずだが、シニシャ・ミハイロビッチ監督はおそらく、FWをひとり下げれば相手守備陣に封じ込められ、完全に攻め手を失ってしまうことを危惧したのかもしれない。“フリーマン”の本田を外し、残りの選手でしっかり守り、攻めることを選んだのだろう。
しかし、指揮官の望みは叶わなかった。ミランは以降、さらにフィオレンティーナに押し込まれ、最後まで主導権を握られたままで終わったのである。
翻弄され、これに対応しきれずにCBが退場となり、そのファウルで与えたFKを決められ(マルコス・アロンソの鮮やかな一発だった!)、ひとり少ない状況でさらに振り回されて追加点を献上、そして疲れきって何の反撃できないまま試合を終えるという、最悪の展開・結末に終わった。
54分にフィオレンティーナが挙げた追加点は、右サイドから侵攻したヨシプ・イリチッチが倒されて得たPKによるものだが(決めたのもイリチッチ)、彼を倒したのが、ミハイロビッチ監督が獲得を熱望した期待のCBアレッシオ・ロマニョーリだったというのも、象徴的というか、皮肉というか……。
しかし、ミランの問題は最終ラインではない。むしろCBはよくやっていたし、信じられない凡ミスをたびたび犯していた昨シーズンのDF陣に比べれば、個々のプレーについては安心して見ていられたものである。
壊滅的だったのは、中盤の守備だ。相手の攻撃を絞り込むができないため、MF陣は簡単にかわされていった。昨シーズンはどの試合でも激しいタックルやチャージを何度も見せたナイジェル・デヨングですら、存在感が薄かったほどである。
17日のコッパ・イタリア3回戦でペルージャに快勝したミランだったが、やはりセリエBのチームと、Aのチームでは全く違っていた。しかもフィオレンティーナは、昨シーズン4位。10位のミランにとっては格上の相手であり、実際に試合は、その順位が反映される内容となった。
序盤からピッチを広く使い、6人の中盤選手が素早くパスを繋ぐフィオレンティーナの攻撃を、ミランは抑えることができない。簡単にペナルティエリア手前までの侵入を許し、何とか最終ラインで凌ぐ様は、昨シーズンと何ら変わりなかった。
攻撃では、カルロス・バッカとルイス・アドリアーノの新加入2トップと、トップ下・本田圭佑のコンビネーションに期待がかけられたが、フィオレンティーナの守備陣にFWふたりがしっかりマークされ、効果的な攻撃を見せることができない。
また、序盤は慎重だったミランは、武器である両SBの上がりも少なかったため、攻め手がなくなってしまった。相手がしっかりと守備網を張って待ち受ける状況では、自由に動けるトップ下が状況を打開する必要があるが、本田は周囲の動きがあってこそ活きるタイプであり、この状況では成す術がなかった。
それでも彼は、これまで通りに精力的なプレーでチームに貢献していた。自陣深くまで戻って執拗に相手を追い回したと思えば、次の瞬間には前線まで走り込んでボールを待つという動きの多さを見せていた。
しかし36分、CBロドリゴ・エリーがDFラインの裏に抜け出そうとしたニコラ・カリニッチを倒してこの試合2度目の警告を受けたことで、彼だけでなく、本田もピッチを去ることを余儀なくされてしまう。代わりのCB(クリスティアン・サパタ)を入れるためだった。
献身的な本田を残し、2トップのどちらかを下げるという選択肢もあったはずだが、シニシャ・ミハイロビッチ監督はおそらく、FWをひとり下げれば相手守備陣に封じ込められ、完全に攻め手を失ってしまうことを危惧したのかもしれない。“フリーマン”の本田を外し、残りの選手でしっかり守り、攻めることを選んだのだろう。
しかし、指揮官の望みは叶わなかった。ミランは以降、さらにフィオレンティーナに押し込まれ、最後まで主導権を握られたままで終わったのである。
翻弄され、これに対応しきれずにCBが退場となり、そのファウルで与えたFKを決められ(マルコス・アロンソの鮮やかな一発だった!)、ひとり少ない状況でさらに振り回されて追加点を献上、そして疲れきって何の反撃できないまま試合を終えるという、最悪の展開・結末に終わった。
54分にフィオレンティーナが挙げた追加点は、右サイドから侵攻したヨシプ・イリチッチが倒されて得たPKによるものだが(決めたのもイリチッチ)、彼を倒したのが、ミハイロビッチ監督が獲得を熱望した期待のCBアレッシオ・ロマニョーリだったというのも、象徴的というか、皮肉というか……。
しかし、ミランの問題は最終ラインではない。むしろCBはよくやっていたし、信じられない凡ミスをたびたび犯していた昨シーズンのDF陣に比べれば、個々のプレーについては安心して見ていられたものである。
壊滅的だったのは、中盤の守備だ。相手の攻撃を絞り込むができないため、MF陣は簡単にかわされていった。昨シーズンはどの試合でも激しいタックルやチャージを何度も見せたナイジェル・デヨングですら、存在感が薄かったほどである。