ダイノジ大谷、ライブで話すと必ず体調を崩す怪談とは
夏といえば怪談がつきもの。そこで怪談芸人としてもお馴染みのダイノジ・大谷ノブ彦さんに、後輩が体験したという身の毛もよだつエピソードを教えてもらった。
「僕の後輩が体験した話です。京都に実在する、あるマンションはいわくつき。建物の吹き抜けが中庭になっていて、飛び降り自殺が多発、しかも全員が8階から飛び降りているんです」
後輩が芸人になったころ“ネタになるかも”と、同期の4人でそのマンションへ行ったという。
「8階は怖いから7階に下り、カメラを回し始めました。“○○に来ています”“4人で7階に到着!”“この上の8階からは、イヤな感じがしますねぇ〜”と話していると突然、─ギィー……バタンッカツッ、カツッ……と、上の階の扉が開き、ハイヒールの人がゆっくりと非常階段を下りてくる音がしたんです」
しかし階段を見ていても、誰も現れない。
「でも音は近づいてくる。スピードを上げて。─カツッ、カツッ、カツッ、カツ、カツ、カツ、カツカツカツカツカツカツ、カカカカカカカカカカカカ。見えない何かが自分たちの周りをグルグルと回り始めました。耐えられなくなった4人は“ウワァーー!”と叫びながら外へ飛び出し、ひたすら走って逃げたそうです」
なんとか逃げ帰ったけれど芸人のサガ。怖いもの見たさでビデオを見ることに。
「そこには白いモヤが映っていたのです。─カツッ、カツッ“お化け、初めて見たわ〜”もう1回しっかり見ようと巻き戻して再生する。─カツ、カツ、カツ“うわー……えっ、あれ?”。そのとき、誰かが異変に気がつきました。さっきは白いモヤだったのに、いまは女性の形に見えるんです。“さっきと、違ってない?”」
後輩はもう1度巻き戻してみたという。
「今度は、黒髪に青白い顔色の女性が見える。─カツカツカツカツ鬼のような形相でこっちへ向かってくるんですよ。再生すればするほど、姿が鮮明になっていくんです。“……もう1回だけ見よう。気のせいかもしれない”」
巻き戻して再生する。
「─カカカカカカカカカカ。青白い顔色の女性が、目を見開いてこっちへ向かってくる。よく見ると口元がずっと動いているんです。《こ、ろす、コロス、コロス、殺す殺す殺す殺す殺す》」
それから1度も、そのテープは再生していないそうだ。
「今日、なぜこの話をしたかというと、そのテープは某テレビ局の保管庫に置いていたんですが、後輩がテープを確認しに行ったら、なくなっていたから……。もしかしたら誰かが持ち去ったのかもしれないし、これを読んでいるあなたの手元に紛れ込んでいるのかもしれません」