戦後になって急速に宅地化が進んだ世田谷は、道路の複雑な地区が多い。農道がそのまま道路になってしまったからだ。
1992年に放送された単発ドラマ「上品ドライバー9〜世田谷経堂迷路」でネタにされたほど。交通状況は厳しくて、幅の広い道路は主要幹線に限られる。

そんな世田谷区は2011年、「世田谷区自転車等の利用に関する総合計画」を発表した。施策の中心は放置自転車対策とレンタサイクルの整備だが、自転車が走行しやすい環境づくりも目指している。

自転車専用レーン。写真はイメージです(junicornさん撮影、Flickrより)

自動車専用レーンは幅員のある道路に設置されると思われがち。ところが、道路事情の悪い世田谷区にはこんな箇所もある。

――自転車走行エリアは青く塗られている部分だが、誰がどう見ても白線より狭い。せいぜい10センチくらいだろうか。
愚直に青いところを走っていたら、横を大型車が追い越す際に接触しかねない。もちろんそれ以前に、このエリアをひたすら走り続けるのはかなりの難易度だ。

あまりの狭さに次のような推測を立てるツイッターユーザーもいる。

警察庁国土交通省の通達から逸脱していると指摘する人もいる。

道路交通の番人である警察がなぜこのような標識を設けたのだろう。「ここは自転車もよく通る道なので、ドライバーの皆さんは留意して運転してくださいね」というメッセージなのだろうか。

場所を特定すべくネットで調べたところ、梅丘二丁目交差点付近であることが判明した。経堂駅から1.6キロほどの距離にある。

グーグルストリートビューでみる限り、レーンの区間の見通しは悪くなさそう。また、道を南下すると青い部分の幅は少し広くなる。
脇の歩道の方が幅員が広いので、そちらを走りたくなる人もいるだろうが......。

現場はいったいどのような道路なのだろう。近日中に実地調査を行いたい。