20日に発表されたソフトバンクの新携帯端末。厚さ11.9mmの「707SC」(左)と、アクオスケータイ「911SH」(撮影:吉川忠行)

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史上最多の15機種、65色――。ソフトバンクモバイル(東京都港区、孫正義社長)が秋冬商戦向けに発売する携帯電話の端末シリーズの全貌が20日、明らかになった。同社の孫社長が“隠し球”と呼んでいた最後の2機種が、東京都港区のホテルオークラ東京で開いた新機種説明会で発表された。

 発表されたのは、厚さ11.9mmの折りたたみ型3G端末「707SC」(サムスン製)と、3.0インチ“大画面”液晶搭載で厚さ22mmのワンセグ搭載3G端末「911SH」(シャープ製)。「707SC」は12月上旬以降、「911SH」は11月25日に発売される。どちらも“薄さ”が最大のウリで、太田洋専務は「スリムケータイ=ソフトバンクを目指します」と高らかに宣言した。

 「707SC」は、Bluetoosh通信に対応しており、別売りのヘッドセットがあればワイヤレスで音楽を楽しめる。また、定型文を英語・中国語・韓国語で読み上げる機能や英和辞書などが搭載されており、海外旅行や出張時に役立つという。

 「911SH」は、端末の本体を開いた状態で液晶画面を横方向に90度回転できる「サイクロイドスタイル」を採用した、「アクオスケータイ」の2番目のモデル。テレビ番組表からの録画予約や、録画した番組の気に入ったシーンだけを切り取って保存する編集機能などもついた。また、画質と音質を「標準」「ダイナミック」「映画」の3モードから選ぶこともできる。

 “隠し球”とされた2機種のインパクトは、“薄”かったと言わざるをえない。とりわけ印象的な機能が搭載されたわけではないし、報道陣に期待を持たせた孫社長自身が、説明会には姿を現さなかったからだ。広い会見場には空席も目立ち、報道陣からの質問も制限時間内にすべて終了してしまった。“予想外”の内容を期待する記者の中から、「どこが“隠し球”なんだ」と不満の声も聞こえた。

 「薄いのは髪の毛ではなく、端末です」。今月初めの会見でそう笑いを誘った孫社長。会見内容まで薄くする必要はないのでは?【了】