「CEATEC JAPAN 2006」で講演したヤフーの井上雅博社長(左)と楽天の三木谷浩史社長(撮影:吉川忠行)

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ヤフー<4689>の井上雅博社長と楽天<4755>の三木谷浩史社長は4日、千葉市美浜区の幕張メッセで開かれているIT関連の展示会「CEATEC JAPAN 2006」で基調講演し、インターネットの未来像について語った。井上社長は「ネットの利用時間は急速に拡大する」、三木谷社長は「ネットは補完的なメディアから主流のメディアになる」とそれぞれ話し、ビジネス領域拡大と会社の成長に自信を見せた。

 ヤフーの井上社長は「インターネットはこれまでの10年、日本がアメリカの真似をするという形だったが、これからは日本が世界をリードしていくことになる」と予言。ブロードバンドが安価に提供され、カーナビや大型テレビの普及が最も進んでいることが、その後押しになると述べた。背景には、同社が進めようとしている、パソコンや携帯電話だけでなくテレビやカーナビからもヤフーのサービスを使えるようにする「Yahoo!Everywhere構想」が存在している。

 これに対し楽天の三木谷社長は、インターネットの利用増による消費者の購買行動の変化に注目。「店やメーカーに“いい商品”について聞くと、マージンの高いものを紹介されるというカラクリを、消費者は理解しつつある」と話し、商品を買った第三者の声である「レビュー」などの口コミがより重要度を増すとした。また、消費者の行動が変わって行く結果として、「テレビがメディアの中心であるという状況は3−5年以内に変わる」と語った。【了】