世界中に大人と同じように働かされ、就学の機会が妨げられている子どもがいる(資料写真:佐谷恭)

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6月12日の「児童労働反対世界デー」にあわせ、NGOや企業の労働組合などが、知識の普及と啓発を図るためのイベントを各地で開催している。

 NTT労働組合(東京都千代田区)は、「児童労働撲滅キャンペーン」を、4日に横浜市西区のそごう前広場などで開く。同労組は、組合員の雇用安定や労働条件・福祉施策の向上に加え、社会正義の実現や社会貢献を重視する必要があるとの立場から、企業行動や人権問題に関わる児童労働問題に2004年から取り組んでいる。今年は、新たな試みとしてキャンペーンをブログで情報発信し、時間や場所にとらわれずに参加できるようにした。

 インドの児童労働問題に取り組む「働く子どもの『遺産と伝説』キャンペーン」(OLAL、東京都新宿区)は、1日から30日まで、オンライン写真展「インドの子どもが写し出す、働く子どもたち」を公開している。OLALは、児童労働に関するワークショップで子どもにカメラの使い方を教え、子どもの視点でこの問題をどう感じるかを写真で表現してもらった。

 人権団体アムネスティ・インターナショナル日本(東京都千代田区)は、児童労働経験者と日本の子どもたちが対話する機会を設ける。7日からインドの活動家と元児童労働者を現地から招き、「働く子どもたちの未来に向けて」と題する講演会を、都内の中学校や国連大学で企画している。

 児童労働反対世界デーを制定した国際労働機関(ILO)の駐日事務所は、5月15日から6月16日まで、国連大学で「児童労働写真パネル展」を開催中。また、11日には児童労働ネットワークと共催で、児童労働に関する記録映画の上映と啓発ウォーキングを行い、12日には長谷川真一駐日代表が、ILO本部が出した児童労働グローバルレポートについての報告会をする。

 児童労働とは原則15歳未満の子どもが大人と同じように働くことを指し、家事の手伝いなどは含まない。労働により就学が妨げられる子どももいる。 【了】

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■関連リンク
NTT労働組合 児童労働キャンペーンブログ
オンライン写真展「インドの子どもが写し出す、働く子どもたち」
「働く子どもたちの未来に向けて」(アムネスティ・インターナショナル日本)
ILO駐日事務所