日本で一番多い神社は何神社?

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 突然ですが、クイズです。日本で一番多い神社は何神社でしょうか?

 答えは、「八幡神社」。神社の総元締めである神社本庁が行った調査「全国神社祭祀祭礼総合調査」によると、八幡神社は7817社とダントツでトップ(ちなみに、2位は伊勢神宮などの伊勢信仰の神社)なのです。
 日本は多神教の国で、八百万の神々を信仰しているといわれます。でも実際に日本人がどういった神を祭り、それぞれの神をどのように信仰しているのかは、必ずしもよく知られていません。
 そんな謎に包まれた神社の秘密に迫るのが、『なぜ八幡神社が日本でいちばん多いのか』(島田裕巳/著、幻冬舎/刊)。日本で信仰されている「最強11神社」(八幡・天神・稲荷・伊勢・出雲・春日・熊野・祇園・諏訪・白山・住吉)について、そのルーツや信仰を取り上げています。
 ここでは本書から抜粋して、日本の神社の豆知識を紹介します。

■日本には具体的にどのくらいの神がいるのか
 日本には八百万の神々がいるといわれます。この八百万とは、「数が多い」という意味なのですが、実際に日本にはどれだけの神々が存在しているのでしょうか。
 『古事記』を見てみると、327柱(神は「柱」で数えるそうです)の神々が登場します。
でも、現在日本で神社に祭られている神は、必ずしも『古事記』には登場しません。神社としてポピュラーな八幡、天神、稲荷などは、日本神話とは無縁な神々です。
 これらの神々を数えるのは、実際はとても難しい問題です。というのも、同じ神を祀る神社でも、地域の人たちはそれぞれを区別して別々の名称で呼んでいるといったケースが多数あるためです。
 また、東京・九段にある靖国神社では戦没者を「英霊」として祀っており、氏名の下に「命(みこと)」をつけているので、これを神々として考えると、靖国神社には264万柱もの神が存在することになります。

■日本で一番多い神社・八幡神社とは
 では、日本で一番多いと言われる八幡神社。一体どんな神社なのでしょうか。
 八幡神社は『古事記』『日本書紀』にはまったく登場しません。八幡神社が最初に文献に登場するのは、737年(『続日本紀』)です。歴史の舞台に突然現れた八幡神社ですが、瞬く間にその勢力を広げ、皇位を左右するまでになります(769年「宇佐八幡宮神託事件」)。
 この八幡という神は、実は外来で、朝鮮半島を由来とする神だといわれています。
 そして八幡宮は、神道の神としてだけではなく、応神天皇と習合し皇祖神となり、さらに源氏の氏神見となることで信仰範囲を広げていきました。さらに仏教の菩薩としての役割も担うようになり、最終的には八幡信仰は庶民層にまで広がったのです。

 いかがでしたか?
 近年、パワースポットブームなどでこれまで以上に注目を浴びている神社。れから神社に参詣するときは、どんな神を祀っているのか、ちょっと注意して見てみてください。
(新刊JP編集部)