【台湾ブログ】日本の影響力が、どんどん小さくなってきた現状
「台湾は歴史が持つ背景から、日本文化を最も受け入れることができる場所」と述べる台湾人ブロガーが、詳細を説明。興味深い内容になっている。
台湾のrre(ハンドルネーム)さんは、「アニメ・雑誌・テレビ番組・カラオケ・パチンコなどの娯楽を、世界の中で最も受け入れているのは台湾」とつづり、「台湾のビジネスマンは昔から東京と台北を行ったり来たりしていて、日本の技術を取り入れるのは他国より台湾がリードしている」、「台北の街を見渡すと店のデザインやライトアップなど、豊かなナイトライフはまるで池袋か渋谷のよう。経営コンセプトも似ていると感じる」と説明した。
続けて「それは台湾が日本を真似ているからだ。そして若者文化の面から言うと、日本の影響をさらに強く受けていると言えるだろう。日本のアイドルドラマは台湾でも人気で、音楽や出版物も上手に台湾に進出している。その昔日本の女子高生の間で流行っていたルーズソックスやプリクラなどは、台湾でも人気だった。日本の影響を受けている事実は、台湾の若者を見れば簡単にわかるのだ」と、rreさんは述べている。
そして日本に統治されていた点に触れ、「50年間も日本の支配にあったのは、変えられない事実。よって日本文化は深く浸透し、台湾文化を作っていった。多くの台湾人は日本に対して深い感情を抱き、中国人とはまったく違う態度なのが当然。日本製品の品質は良く、“日本製品は世界一”だと言われる時代もあった」とつづったrreさんだったが、現在は違うと感じている。
「しかし今は、日本経済が国際的な力を持たなくなった。世界の流れや国際情勢を見ると、日本が弱くなっていると理解できる。いくら努力をしても、アメリカと手を組んでも、現状を変えることは困難だ」とし、「台湾は日本文化を無条件に受け入れてきたが、異国文化を排他する感覚がなかったから。アメリカやヨーロッパ文化だって、台湾人は簡単に生活に取り入れるだろう。特にこの数年の韓流は台湾を圧巻。日本の影響力が小さくなった」と指摘し、ブログを締めくくった。
ドラマに映画、ヒット曲やアイドル、そしてコスメや雑貨など……rreさんがつづったように、以前の台湾は日本の物が流行し人気だったが、それらの今の主流は韓流。店の品揃えも広告も、韓国商品に関する内容が目立つようになった。台湾が日本統治下にあったのは1895年から1945年の50年間で、日本の志向や文化が残り続けてはいる。だが統治から解放されてから、70年近く。現代の若者が日本統治を実感する場や機会はほとんどなく、おしゃれ感覚や世界の動向から流行が作られていく。確かに今は、日本のアイドルよりも韓流アイドルに夢中になる台湾女性が多いだろう。
rreさんの指摘によると「台湾は他国の文化を簡単に受け入れる」ようで、韓国人気が落ち着いたとしても、次は欧米文化にスポットが当たるかもしれない。台湾で日本の商品や文化が見直される時は来るのだろうか、と思わず心配になってくる。東日本大震災に向けて台湾の人々が送ってくださった義援金、そして先日の第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で見せた日台戦の名勝負。日本と台湾はお互いの文化や精神を称え合える、友好な間柄のままであってほしいものだ。(編集担当:饒波貴子・黄珮君)