モトローラもHTCもノキアも撤退「韓国は海外携帯電話メーカの墓」

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世界のスマートフォン市場でトップシェアを誇るサムスンの母国・韓国では、海外の携帯電話メーカーによる撤退が相次いでいる。

米国のモトローラコリアは10日、2013年2月をもって韓国から撤退すると発表した。モトローラは韓国に進出して今年で45年。1967年に外国企業としては初めて韓国に半導体工場を設立すると、数々の通信事業を展開してきた。1988年に「ダイナテック」の商標で韓国に初めて携帯電話を紹介し、2006年には世界で大ヒットした薄型携帯電話「レーザー」シリーズが韓国でも爆発的な人気を集めた。

しかし、2009年の時点で韓国国内の市場シェアは5%に留まり、さらにサムスンやLGによる攻勢を受け2012年のシェアは0.1%にまで落ち込んだ。今後、韓国で新製品の発売は行わないが、アフターサービスと顧客相談窓口は継続する方針という。

モトローラに先駆け、ほかの海外メーカーも韓国からの撤退を決めている。7月には台湾の「HTC」が撤退を発表、ブラックベリーで有名なカナダの「RIM」は3月に本社がスマートフォン事業の韓国撤退を発表し、ノキアも販売を中断した。これで韓国に残る海外メーカーはアップルのみになった。

韓国で海外の携帯電話メーカーが苦戦する理由は大きく2つ。1つめはサムスン、LG、ペンテックという世界的なブランドが3つもあり、海外メーカーが入り込む隙間がないこと。もうひとつは、韓国独特の複雑な補助金体系により海外メーカーが流通網をなかなか確立できないことが挙げられるようだ。

韓国では、世界的に有名なポータルサイト「Yahoo!」も年内で撤退することを発表している。やはり「NAVER」や「DAUM」といった韓国の大手ポータルサイトとのシェア争いで苦戦を強いられ、業績が悪化したことが原因。最近ではシェアを1%にまで落としていた。

韓国日報は、相次ぐ海外IT企業の撤退で韓国が「海外携帯電話メーカーの墓」であることが事実として証明されてしまったと伝えた。

参照:韓国日報
参照:Motorola Republic of Korea

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