13時40分過ぎ、原博実強化委員長、関塚隆監督が登壇した。2人の表情が引き締まっている。

原委員長
「まず日頃から日本サッカー界への応援ありがとうございます。オリンピック予選を勝ち抜いたのはみなさんの応援だと思いますし、予選のときの選手への拘束力がない中で、気持ちよく対応していただいて、代表だけを強くすることはできないと思います。各クラブと日本サッカーの強化を考えることが大事だと思います。初戦のスペイン戦までに3試合ありますが、いい準備をして初戦のスペイン戦をいい形で迎えたいと思いますし、今世界で一番強いスペインといい戦いで入って予選グループ突破を狙っていきたいと思いますので、今後とも応援よろしくお願いします」

関塚監督
「日頃から応援していただき誠にありがとうございます。今思えば今年の3月、アジアの最終予選を勝ち抜いてオリンピック出場を決めました。これも本当にみなさんの声援、ご協力があったからだと思います。そしてその後からこの7月の本大会に向けて日本のカレンダーの中で準備を進めてきました。強化キャンプ、そして所属クラブでの試合、トゥーロン、それから代表戦と、この4カ月、それぞれのプレーヤーのプレーを向上してもらい、そして世界にチャレンジする本大会の準備に向けて、我々が今までやってきた攻守に連動するといいますか、今のサッカーというのは守備だけ、あるいは攻撃だけというのではなく、一体の連動したサッカー、そしてピッチで選手たちが生き生きという躍動感のある一体感のあるサッカーを目指してきました。そういうサッカーをこの本大会で戦う、そういう18名を今から発表したいと思います」

ここでメンバーが関塚監督から発表された。杉本の名前が呼ばれたときにどよめきが起こる。
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「このメンバーで7月8日からキャンプを行い、7月11日水曜日キリンチャレンジ2012ニュージーランド戦から強化の試合を3試合行います。これをしっかりと準備をして7月26日、第1戦スペインに向けてやはり我々の力をしっかりできるよう、それからみなさんの期待に応えられるよう仕上げてベストを尽くしたいと思っております。今後ともご声援のほどよろしくお願いいたします」

――発表を終えて今の心境を。
「まず35名、非常にポテンシャルのあるプレーヤーが揃っています。その中でオリンピックで18名と、それは前に話した中で、最後、監督としての僕自身が決めました。そういう意味では、ここまでやはり多くのプレーヤーで戦い抜いてきた大会ですから、全員の総意といいますか、力を出してメンバーでしっかりと戦ってという気持ちでいます」

――基準とポイントは何でしたか。
「ですから、現在のコンディション、それからパフォーマンス、こういうところが非常に大事になってくると同時に、18名というメンバーですから、本大会でやはりいろいろなケースが想定されます。そのなかでやはりチームとして機能させるであろう、そういうメンバー選考というのが難しいところです」

――オーバーエイジの選手について求めるものは。まずは吉田選手について。
「やはり我々5月にトゥーロンの戦いを戦ってみて、やはりディフェンスのラインに補強が必要だろうと。そこが強く感じた部分でもありますし、吉田選手は前回の大会にも出場している、そして年齢的に非常に近いということも含めて、後ろでしっかりとリーダーになってほしいと思います」

――徳永選手については。
「彼も2歳下でやって、そのときのオーバーエイジを使った大会を経験してます。そして今現時点、4月、5月代表にも呼ばれて、やはりそういう選手でもあります。所属クラブでもしっかり結果、結果といいいますか、パフォーマンスを高い状態を保ってくれていますので、今現在やはり吉田選手も治療中ですので、センター、サイドで、しっかりとディフェンスラインを締めてほしいと、こういうふうに思っています」

――攻撃陣の組み合わせについてはいかがでしょう。
「1.5列目前にはポテンシャルのあるプレーヤーが揃っています。その中でしっかりと我々がやってきたものを引き出せる、その組み合わせをこれからしっかりと強化の3試合を含めて、やはりバリエーションを含めて作っていく。それぞれのパフォーマンスを生き生きとしたいいものを出しながら、チームとして機能するというように持って行きたいと思っています」

――ロンドン・オリンピックでの目標は?
「ここまで来たらやるしかないと思います。しっかりとオーバーエイジを含めたキャンプが8日から始まりますし、我々はこのスペイン戦の直前までしっかりとやるべきことをやって、チームとしての一体感ですね、それを持って本大会に向かう。そこのところをどこまでできるかということが結果に結びつくと思っていますので、ベストを尽くしたいと思います」

――具体的な目標は?
「ですから、やる。一つの高みを持って高めていきたいと思います」

――ニュージーランド戦の位置づけと確認したい部分は?
「キリングループのご協力をいただいて、日本のみなさんの前で壮行試合として組んでいただいてありがたいと思いますし、やはりしっかりと、まずこのチームになってからの初戦だと思いますから、ここでやはりしっかりと骨組みというものをやりながら、そしてトゥーロンのときにはトルコの身体的なもの、距離感というものを、やはりできた時間もありますけれども、できなかったこともありますから。そういったものをやはりしっかりと本大会に向けての第一歩としてのニュージーランド戦を戦っていきたいと。オーバーエイジも使ってくると聞いていますので、その中でしっかりと我々も戦いができるように持っていきたいと思います」

――2020年のオリンピック招致について。
「オリンピックはスポーツの祭典であります。トップアスリートがサッカーを含めて集まる大きな世界の大会ですから、それをやはり日本で招致できたら、それを子どもたちが見ることができたら、各競技のやはり向上のためにも大事なことだと思いますし、また、そういう大会を東京で開催するというのは、そのために我々国民が一つになって運営にあたるというのは、絆ということをいわれていますが、価値があると思いますから、ぜひ東京で開催されてほしいと思います」

――FWに求める役割、杉本選手に求めるものを教えてください。

「先ほども一つご質問もあがったところで、前の選手の組み合わせは、よく考えました。ただやはり、日本の両サイドや今の距離感であるところ、個人でのサイド突破というのが大事なってくると思いますが、その中での高さ、そしてゴール前での迫力がやはり、非常に今杉本選手に期待するところでもありますし、非常にやはり足も振れるし、そして連続した動きもできるし、そこを期待しています」

――海外組はいつから合流するのですか? また韓国はA代表の選手を入れているのですが、日本はそうではないのですが、若手に何を期待しますか。

原委員長
「先ほどメンバーがわかったので、これから交渉します。8日からトレーニングということを含めてスケジュールを早々に出して、クラブの事情もあるでしょうから、交渉します。23歳以下の選手には拘束力がありますが、実質は12日からです。本当は拘束力のないところなのですが、みなさんご存じのとおり、海外はスケジュールが始まったばかりという状況ですので、我々の事情を説明して交渉したいと思います。

それから、この世代に期待することですが、前回の北京は予選グループで負けましたが、今の代表の多くはその北京世代の人たちで、もちろんオリンピックで結果を出せるのはいいでしょうが、若いうちに世界を経験し、そして多くの選手が世界に出ていきました。韓国は韓国の考え方があるでしょう。我々は、前のほうのタレントは今後日本の中心になってくるだろうという選手が多いので、その選手たちを生かす。そして先ほど関塚監督が言ったように、後ろのほうがこの年代は弱いところがありますから、そこに吉田と徳永を入れて、前のほうは個の年代の選手がノビノビやってくれればいいかと思います」

――予選と本大会では戦い方を変えるのでしょうか。
「いや、イメージを変えようということはありません。やはりトゥーロンの3試合というのは非常にその中での、自分たちを見直す、ヨーロッパの国と戦う上で感覚、距離感、そして我々の立ち位置がわかったというのがあります。ただその中でも必ず自分たちのやれた時間というのがありますから、基本的にはそれを多くするということにかえたいと思います。ただスペインは、今朝もヨーロッパのチャンピオンになりましたが、そこに対してイニシアチブを取れるのかというのは、その時間帯が少なくともどういう戦いをしていくのか、そういうところはチームとして方向性を持って一戦一戦戦っていく。そのスタンスは僕自身は持って臨んでいきたいと思います。目ざすところは守備も攻撃もしっかりコンパクトにやっていく、そしてしっかりと数的優位や、一対一をやったところをはがしていく。ここもやはり攻撃のところというのは、実際にトゥーロン行っても我々がヨーロッパと戦うからと言って、そこを下がってという戦いをした訳じゃないですし、その意味でも見えてきたものでも本大会で生かすように、準備のところで作っていきたいと思います」

――メンバーを選ぶところでA代表との関係で影響はありましたか?
原委員長「35人を選ぶ前の段階で、特にオーバーエイジに関してはフル代表と調整しました。それは前回話したように、今最終予選の真っ只中で、日本は6月に3試合をやらなければならないという状況の中で、オリンピックがある訳ですから、そこに関しては調整しました。香川はケガがあって、A代表ではレギュラーで、移籍もあるということで、そこに対しては間に入って、オーバーエイジと香川については協会が入りましたが、今回の35名から18名にする段階では関塚監督とスタッフが選びました」

――3月に本大会の出場権を獲得したときにメダルを目指すとおっしゃっていますが?
「目指すところはしっかりと目指していきたいと思いますし、ここまで来たらみんなでやってやろうと、そういうところでしっかりと入っていきたいと思います」

――宮市選手が35人に入っていて今回外れている理由は?

「個人的な部分というのはやはり35名、さっき言ったようにポテンシャルがある選手が揃っています。その中でやはり現在の、これまでのパフォーマンス、コンディション、それから現在の状況ですね、それからやはり18人という枠の中で、個人スタッフと話しに話した中で、いろんな想定をする中でチームが機能する18名ということで、選考を僕自身が最後は決断したというところです」

――35人を選ぶ段階で監督の意向がすべて反映されていないということについてはどう思いますか?
「18名はしっかりと僕が決断しましたので、これで本大会に対してしっかりと戦っていこうということです。35名でも出られるのは18名なので、その中でもこの大会に向けては自分が責任を持って全うしたのですから、それで戦います」

14時16分終了。なでしことほぼ同じ時間で会見が終わった。