テレビ界に「コンプガチャ」ショックなる激震が走っている。
 「コンプガチャ」とは、携帯電話用ソーシャルゲームの一つ。
 「子供が夢中になり、使い過ぎてしまって親が100万円近い額を携帯電話会社へ払うケースもあった。これが社会問題化しており、消費者庁から中止命令が出た」(一般紙記者)

 その大手がグリーとDeNAで、使う宣伝費もかなりの多額だ。それが中止になるため、今期はその宣伝費がかなり減額される見込みで、テレビ局は頭を抱えている。
 グリーとDeNAがコンプガチャでいかに儲けていたかは、次の数字を見れば明白である。
 まずグリー。2011年通期(6月決算)の売り上げが634億円だったのが、'12年6月期の第3四半期では残り3カ月あるというのに1181億円を売り上げ、経常利益は'11年通期の売り上げとほぼ同じの634億円。DeNAも同様に、子供たちを騙すかのように濡れ手に粟で儲けている。

 では、グリーとDeNAはどれほどの宣伝費を使っていたのか。
 たとえばグリーだが、'10年6月期は70億円の宣伝費だったのが、'11年6月期には135億円に増加している。'12年6月期は200億円程度に達すると見られている。
 DeNAも'11年3月期は114億円を宣伝費に投下。'12年3月期はその倍だという。2社合計で400億円台半ばとなり、その7割がコンプガチャ関連。

 中止となれば300億円強の宣伝費が消えてしまい、それで潤っていたテレビ局がピンチに陥るのは言うまでもない。
 「テレビ局は、今期の売り上げ予算の修正に迫られています。利益もかなり減ることになるでしょう」(広告代理店関係者)

 騒動の余震は、夏頃まで続きそうである。