2日のセリエA第36節、フィオレンティーナ対ノヴァーラの一戦で、狂気の沙汰と言える出来事が起きた。フィオレンティーナのデリオ・ロッシ監督がMFアデム・リャイッチにベンチで手を出したのだ。試合は2−2に終わり、ノヴァーラはセリエB降格が決まった。フィオレンティーナの残留決定は次節に持ち越されている。だが、ロッシ監督の一件がすべてを二の次としてしまった。

問題が起きたのは32分、フィオレンティーナが0−2とリードされ、降格の恐怖が近づいていたときのことだった。攻撃陣が消えていたことで、ロッシ監督はリャイッチを下げてオリベイラを投入。するとリャイッチは、ベンチに向かいながら指揮官に対して拍手をし、両者は互いを罵りだす。

そしてリャイッチが皮肉たっぷりに「OK」とジェスチャーをすると、ロッシ監督はベンチに飛び込んでケンカを始め、リャイッチに手を出した。ベンチのスタッフが割って入り、ロッシ監督をなだめようとしていたが、指揮官はリャイッチの行動を許さなかった。

主審からの処分はなく、サポーターはリャイッチを罵倒し、ロッシ監督に拍手を送った。クルヴァ・フィエーゾレは、リャイッチに「お前はジプシーだ」と叫んだ一方で、後半開始時に戻ってきたロッシ監督のことは、拍手とチャントで迎えている。

だが試合後、アンドレア・デッラ・ヴァッレ名誉会長は、ロッシ監督の解任を認めた。後任については3日に決まる予定だ。

「ロッシと話した。彼は謝罪する用意をしていたよ。だが、解任という選択は避けられない。このクラブがこの数年追ってきた価値を考えればね。私としても下したくない決定だった。だが、ロッシの行動に言い訳はできない。解任は彼のためでもある。彼はとても素晴らしい人なんだ。リャイッチにも処分があるだろう。監督は挑発されたのだからね。ただ、あのような反応をしてはいけなかった。今後に関するほかの質問には明日応じる」

「ロッシはここ最近、大変なストレスを抱えていた。我々はあまりにミスを犯しすぎてしまったんだ。今夜もフォワードがおらず、1月に適切な補強がなかった。残念だよ。ほぼ残留を決めていたんだからね。レッチェでの次節で1ポイントが必要だ。うまくシーズンを終えられるように願っている」