サムスンとLGの冷蔵庫に反ダンピング関税、冷蔵庫の販売あきらめか

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米商務省は19日、サムスンとLGが米国で販売する冷蔵庫に、反ダンピング(不当廉売)関税を課すと明らかにした。これを受けて、韓国内では、「最悪の場合は冷蔵庫の輸出ができなくなる」などと警戒感を示した。

米商務省がダンピング判定を下したのは、上部に冷蔵庫、下部に冷凍庫が設置されたフレンチ・ドア式の冷蔵庫(両開き扉の冷蔵庫)。両メーカーが韓国とメキシコ工場から輸入した冷蔵庫で、米国内では市場シェアを拡大していた。

報道によると、米商務省はサムスンの冷蔵庫に韓国産5.16%、メキシコ産15.95%、LGの冷蔵庫には韓国産15.41%、メキシコ産30.34%の反ダンピング関税を課す決定をした。

サムスンとLGは、韓国国内で同製品をほとんど販売しておらず、比較対象がないとして、米国側の反ダンピング関税に反発している。韓国メディアYTNによると、米国に輸出する冷蔵庫の平均マージン率は5%であり、5~30%の反ダンピング関税が課せられると、対米輸出をあきらめなければならなくなるという。

ダンピング判定は、来月の米国際貿易委員会(ITC)で確定する。LG電子の関係者は、「韓国政府とともにWTO(世界貿易機関)に提訴するなど積極的に対処していきたい」と強気の姿勢を示した。

YTNはまた、米国の大手家電メーカー「Whirlpool」が、韓国メーカーの洗濯機に対しても反ダンピングで提訴していると明らかにした。YTNは、「米韓FTAが発効されたが、米国政府や米国メーカーはシェアを伸ばす韓国メーカーに対して露骨な牽制を行っている」と指摘した。

参照:YTN
参照:NEWSPIM

(文:林由美)

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