日本プロサッカー選手会が、日本代表選手の待遇改善を巡ってサッカー協会と対立している。協会側もまったく引く姿勢がなく、2月22日には「日本代表選手ペイメント問題に対する当協会の考え」と題し、ボーナスや出場給など代表戦にかかわるすべてのお金の流れを発表したね。

この発表に対し、選手会側からは「一方的」「お金の問題だけではない」と、やはり反発する声が上がった。僕はこの問題に対して、代表選手の日当が安いとか高いとか言うつもりはない。ただし根本的なところで首をかしげたくなる部分はある。

まず、選手会とは本来、チームの中での選手の待遇改善のために動く組織のはずだ。日本代表は、チームじゃないよね? 誰が選ばれるかわからないものに対して、とやかく言ってもしょうがないと思うのは僕だけかな。

代表選手の待遇に対して文句を言う前に、たとえばJリーガーの引退後の年金制度の確立など、そうしたことに矛先を向けるべきなんじゃないかな。代表に選ばれてお金をもらえる選手よりも、代表に入れなくて低年俸でプレーしている選手たちのことを考えるほうが大事だよ。

だいたい、たとえば3月の親善試合には海外組が帰ってこない可能性があるよね。状況によってはそうした自由が認められる場合もあるわけだ。出たくないときは帰ってこず、出られるときは「お金をくれ」というのでは、ちょっとムシが良すぎる気がする。今の選手会の要求は、なんだか“おねだり”に見えてしまうね。

もちろん、待遇改善に向けて声を上げること自体は悪くない。協会に対してそうしたプレッシャーをかけることは、緊張感を保つという面でも意味はある。ただし、今回に限って言えば、選手会は矛先を間違えている。まず求めるべきは、チーム、Jリーグの中で自分たちの待遇をどう改善していくか。代表選手の話はその後だと思うね。